1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05304058
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Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60013976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐野 高明 東京大学, 医学部, 教授 (10161605)
佐藤 公道 京都大学, 薬学部, 教授 (80025709)
小澤 瀞司 群馬大学, 医学部, 教授 (40049044)
川村 光毅 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (40048286)
石塚 典生 (財)東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (90126201)
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Keywords | 海馬 / 神経回路 / グルタミン酸受容体 / 細胞内カルシウム / 長期増強 / 組織発生 / 神経細胞死 / 脳虚血 |
Research Abstract |
従来海馬の研究の多くは個々のシナプス・レベルで行なわれてきたが、本総合研究では海馬全体の構造と機能を理解することを目指しており、各分担者による研究と平成5年11月19、20日の連絡会議における徹底的討論により所期の成果をあげることができた。主な成果として、(1)海馬の入出力系について系統的に検討し、大脳新皮質との関連で組織構築につき新しい考えを打ち出した(石塚)。(2)歯状回の発生につき新しい免疫組織化学とミュータントマウスとの比較を行い、細胞の分化と移動につき詳細な経過と機構が明らかにされた(川村)。(3)生体内海馬表面の光学的活動計測により、従来研究が集中している横断面内での伝達だけでなく縦軸方向の信号伝達が重要であることが示された(飯島)。(4)海馬切片での光学的活動計測により従来電気生理学的と研究されている経路だけでなく、多方向への遅い信号伝達があることを明らかにした(小幡)。(5)CA3におけるシナプス伝達と長期増強について、従来研究されている苔状線維の他に、海馬采と連合・交連線維を比較、検討し、それらの役割を考察した(佐藤公)。(6)虚血後の神経細胞死につき細胞内カルシウム上昇に至る膜電位変化、グルタミン酸放出、エネルギー代謝の因果関係を明らかにした(片岡)。(7)サルに異なる課題を組み合せて学習させる際、それに応じて活動するニューロンが存在することを見出した(小野)。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 小幡 邦彦: "海馬における神経活動と遺伝子発現" 神経研究の進歩. 38. 82-89 (1994)
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[Publications] 石塚 典生: "海馬の細胞構築と神経結合" 神経研究の進歩. 38. 5-22 (1994)
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[Publications] 小澤 瀞司: "海馬ニューロンの興奮性シナプス" 神経研究の進歩. 38. 23-33 (1994)
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[Publications] 岡田 安弘: "海馬切片神経伝達に対するアデノシンの興奮作用と抑制作用" 神経精神薬理. 15. 99-107 (1993)
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[Publications] 飯島 敏夫: "海馬ニューロン活動の光学的計測" 神経研究の進歩. 38. 91-101 (1994)
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[Publications] 小野 武年: "海馬体の認知・記憶関連ニューロン" 神経研究の進歩. 38. 126-139 (1994)
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[Publications] Taketoshi Ono(編): "Brain Meihanisms of Pevception and Memory" Oxford University Press, 692 (1993)
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[Publications] Kiyoshi Hama (編): "Calcium Regulated Cellular Activities" Biomedical Research Foundation, 164 (1993)