1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05402004
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 和明 東京大学, 宇宙線研究所, 助教授 (00242165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒船 次郎 東京大学, 宇宙線研究所, 教授 (80013415)
三尾 典克 東京大学, 理学部, 助手 (70209724)
坪野 公夫 東京大学, 理学部, 助教授 (10125271)
神田 展行 東京大学, 宇宙線研究所, 助手 (50251484)
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Keywords | 重力波 / 共鳴型アンテナ / 銀河系 / 超新星爆発 / 2重中性子星合体 / ファブリーペロー干渉計 / スタック型防振装置 / 不動点支持 |
Research Abstract |
2年計画の第一年次である本年度は、共鳴型重力波検出器の殆どのハードウェアーの製作とこれら各部の完成度テストの繰り返しであったが、学術的に重要ないくつかの研究成果も得られている。完成した部分は、次の通りである。 1)目標20万に対し、35万の機械的Q値をもつ重量1.8トンのアンテナの完成。 2)真空度10^<-8>torr台を達成したフランジ径2.2mの真空チェンバーの完成。 3)室温での熱振動レベルが観測可能な防振性能を持つスタック型防振装置の完成。 4)連続運転可能な真空システムの完成。 5)Nd-YAGレーザーを用いたファブリーペロー干渉計トランスデューサーの完成。 ただし、5)については動作にこぎつける段階であって、目標感度達成は第2年次計画である。 これらを開発製作する過程で得られた学術的な知見は、1)に関連して高いQ値を得るために不動点支持の方法の有用性の再確認と不動点付近の表面を減らすことの重要性を見いだしたことであり(93年秋の物理学会4aD3)、3)に関連してスタックの座屈荷重を計算する簡便な方程式を見いだしたことである(Rev.Phys.Intr.,Apr.94)。また、5)に関連して、振り子を用いないトランスデューサーでは1kHz付近の機械振動雑音が支配的であり、目標の感度を達成するにはこれまでの形状・方式ではさらに検討が必要であることが判明した(93年秋の物理学会4aD6)。さらに、真空を汚染しないシール法については、ポリマーの脱ガス特性が単純でないことが判明したため、その有用性について継続的にテストを続行中である(93年秋の物理学会4aD4)。 以上の実績を踏まえて、第2年次の計画は当初の予定通り遂行する事が可能となっている。
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