1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05402019
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松浦 延夫 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (90209495)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 正徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 講師 (70023679)
湯元 清文 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (20125686)
田中 義人 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (30023675)
野澤 悟徳 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助手 (60212130)
藤井 良一 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (00132712)
|
Keywords | GPS / 電磁気圏 / 全電子数(TEC) / プラズマ圏 / TECメータ / オーロラ域 |
Research Abstract |
[トロムソにおけるTEC観測]オーロラ域の電磁気圏変動を研究するため、ノルウェーのトロムソ大学との共同研究により、GPS利用による全電子数(TEC)観測を実施し以下の知見を得た。 (1)多雪寒冷地にもかかわらず約1年間順調に装置が作動し、平成6年度に実施を予定しているスピッツベルゲンにおける観測に関する貴重な資料を得た。 (2)トロムソで取得したデータの解析は現在進行中であるが、特徴的なTEC変動が観測された。トロムソの磁気的高緯度側で早朝にTECが極端に低くなるプラズマホール(穴)を検出し、また、擾乱時におけるTECの局所的な異常増加を観測しており、オーロラに伴う比較的低エネルギーの降下粒子によるF領域電離に対応しているものと考えられる。 [国内におけるTEC観測]平成5年度にTEC測定器1台を購入し、国内におけるTEC観測を実施した。 (1)京都大学超高層電波研究センター信楽レーダとの同時観測を行った結果、レーダで観測した高度約500km以下の電離圏の電子数に比べて、GPS-TEC観測から得た全電子数(電離圏+磁気圏)は2乃至3倍大きく、従来の通念と異なりプラズマ圏の寄与が大きいことが判明した。このことは、従来の地上観測法では不可能であったプラズマ圏の地上観測をGPS-TEC法が可能にすることを示唆するものであり、太陽地球環境の観測研究への寄与が期待される。 (2)名古屋大学構内における観測により、磁気嵐に伴うTECの顕著な変動を検出したほか、GPS衛星の仰角とTECの関係から、プラズマ圏の寄与を示唆する結果を得た。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 松浦 延夫: "中層・超高層大気圏のイオン化学過程と水蒸気循環" 気象研究ノート. 181号. 111-125 (1993)
-
[Publications] 松浦 延夫: "GPSを利用した全電子数観測序報:MUレーダとの同時観測" 第94回地球電磁気・地球惑星圏学会講演会予稿集. B11-12 (1993)
-
[Publications] 藤井 良一: "Electrodynamic parameters in the nighttime sector during auroral substorms" Journal of Geophysical Research. (in press). (1994)
-
[Publications] A.Brekke: "Studies of the E-region neutral wind in the quiet auroral ionosphere" Journal of Geophysical Research. (in press). (1994)
-
[Publications] 松浦 延夫: "Japanese cooperation with EISCAT on Svalbard radar" Proceedings of Japan-Norway Symposium. (1994)