高速船の性能推定法に関する研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05402055
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 田中 一朗 大阪大学, 工学部, 教授 (30028964)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 長谷川 和彦 大阪大学, 工学部, 助教授 (60106804) ; 内藤 林 大阪大学, 工学部, 助教授 (20093437) ; 斎藤 公男 大阪大学, 工学部, 助教授 (50029279) ; 鈴木 敏夫 大阪大学, 工学部, 教授 (80029107) ; 浜本 剛実 大阪大学, 工学部, 教授 (30107130)
• Keywords: 滑走艇 / 浸水表面積 / スプレー / 水中翼制御 / ジェットエンジン / 水中翼船 / 操縦安定性

Research Abstract

1.滑走艇設計の困難さの主因である浸水面積推定法に関する基礎知識を得るために、滑走板船首部のスプレー現象を伴う流場について考察を行った。滑走板が排除効果によると考えられる曲率半径Rの放物線状の波面を滑走するとの仮説を設け、摂動論的観点から解析を行い、次のことから仮説の妥当性を裏付けた。
(1)主流方向距離をXとするとspray root lineは√<X>の放物線となる。
(2)圧力分布はブーメラン状であり1/√<X>の特異性を示す。
(3)スプレー抵抗分布等のスプレーに関する量は実験結果とよく一致する。
2.水中翼、空中翼をもつジェットエンジン推進船(高速飛翔船)の概念設計と離水時の運動を調査検討した。離水条件下における高速飛翔船の運動方程式を導き、パラメータースタディを行った結果、次のことが明かとなった。
(1)水中翼の迎角制御法、初期離水時における水中翼の失速条件を示した結果、追い波中での失速に注意を払う必要がある。
(2)離水時間の7割程度の時間でエンジン回転数が最大となるように最適制御できる。
3.水面貫通型水中翼船について定常航走時のメタセンター高さ、復原挺を導き、それらを用いた線形化運動運動方程式によって操縦運動、安定性について検討した。実験をよく説明しうる運動シミュレーション結果が得られたが、安定性解析には揚力係数、付加質量係数等を、より正確に求める必要があることも分かった。

Research Products

• [Publications] 松村清重: "滑走板船首部のスプレー現象を伴う流場について" 日本造船学会論文集. 13-21 (1993)
• [Publications] 内藤林: "高速飛翔船の離水時の運動に関する研究" 関西造船協会誌. 221. (1994)
• [Publications] 浜本剛実: "Turning Motion and Directional Stability of Surface Piercing Hydrofoil Craft" Proceedings of FAST'93. 807-818 (1993)