1993 Fiscal Year Annual Research Report
大気と地表面の熱・水相互作用における森林の役割に関する実証的研究
Project/Area Number |
05404012
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小橋 澄治 京都大学, 農学部, 教授 (40026604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩坪 五郎 京都大学, 農学部, 教授 (00026395)
中島 皇 京都大学, 農学部, 助手 (40202212)
大手 信人 京都大学, 農学部, 助手 (10233199)
水山 高久 京都大学, 農学部, 助教授 (00229717)
福嶌 義宏 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 教授 (00026402)
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Keywords | 森林の水収支 / 森林の熱収支 / 物質循環 / CO_2フラックス |
Research Abstract |
本年度は本研究の初年度に当たり、購入した観測設備の設置と調整がまず必要であった。滋賀県南部の桐生試験値流域の樹高18mのヒノキ林内に20mの観測搭を設置し、そこに放射収支計、精密赤外放射計、高分解能CO_2アナライザーなどの観測計測器を設置した。現在計器類の調整中であり、来年度以降水循環、熱収支及びその相互関係のデータを得て解析を進める。 これとは別に、多様な森林の熱収支、水循環、CO_2フラックスの動態を明らかにすることと観測手法の確認のため、兵庫県南部にある樹高4m程度の広葉樹を主とする幼齢人工樹林帯において観測を行なった。 その結果、広葉樹を主とする幼齢林は土壌の水分条件が良好な場合には活発な生物活性をみせ、蒸散量、光合成量は既存の文献にみられる一般の森林のレベルを上回ること、しかし乾燥が続いて土壌の水分条件が悪くなると生活活性は極端に低下すること、林床でのCO_2フラックスの測定からここでの土壌の呼吸作用が一般森林土壌のレベルよりかなり下回ること、それは人工樹林帯であるために土壌化作用が進行していない結果と考えられること、常緑広葉樹は兵庫県南部の温暖地では冬期でも無視できない量の光合成を行っていることが明らかになった。 また兵庫県南部で行った予備調査によって、本研究で計画された熱収支、水循環、CO_2フラックスの測定のための諸計測器の性能及び測定手法について十分な検討を行い、問題点を改善することができた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 中村彰宏: "異なる土壌水分条件下での森林の顕熱,潜熱,CO_2フラックスの特性" 水文・水資源学会1993年研究発表会要旨集. 1. 264-265 (1993)
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[Publications] 福嶌義宏: "森林と水に関する研究の動向" 森林科学. 9. 7-13 (1993)
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[Publications] Y.SHIMADA: "A dissolved silica buget for a temperate forested basin." IAHS Publication. 215. 79-88 (1993)
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[Publications] 小橋澄治: "精密3次元計測システムを得られる情報の利用例" 森林航測. 169. 13-17 (1993)
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[Publications] 小橋澄治: "緑化計画,環境モニタリングの一手法" 日本緑化工学会誌. 19-1. 32-38 (1993)
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[Publications] 中村彰宏: "多様な地被形態上でのエネルギー収支と空気力学的特性" 京都大学農学部演習林報告. 65. 125-137 (1993)