1993 Fiscal Year Annual Research Report
侵襲に対するエネルギー基質代謝動態を含めた生体反応の動的解析と制御に関する研究
Project/Area Number |
05404042
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 昌造 東北大学, 医学部, 教授 (70004877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大河内 信弘 東北大学, 医学部, 助手 (40213673)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 助手 (20192106)
平山 克 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (20181191)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 助教授 (50101142)
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Keywords | 生体反応 / 安定同位体 / 手術侵襲の転減 / サイトカイン |
Research Abstract |
手術侵襲に対する生体反応の解析をすすめ、術式や手術時間とサイトカイン(IL-6、G-CSF)の分泌量が相関すること、さらに、これらのサイトカインが顆粒球の活性化や補体レセプターの発現に関わっていることを見い出した。一方、サイトカインをはじめとする侵襲後の反応が、ステロイド前投与によって軽減され、著明な循環動態、水分電解質動態の安定をもたらし、ストレスホルモンの分泌も減少させることを見い出した。これらの事象は全く新しい知見であり、外科領域における患者管理に貢献できるものである。 さらに、これらの臨床的知見を検証すべく、in vivo mouseの系の侵襲モデル(開腹)を作成することができ、ステロイドの投与効果は、投与のタイミングが重要であり、侵襲前1h-3hrsが最も効果があり、少量で十分で、大量投与によって逆にIL-6の分泌量が増加すること、効果の発現にtime logがあること、局所のサイトカインであるTNFやIL-1も抑えられることなどが明らかとなった。一方、代謝面での研究もすすめ、^<13>C-・トリオレイン投与による脂質熱焼をヒトで検討したところ、30ml、60ml、120mlの投与においてもいずれも30-40%しか6hrsで回収されず、残りの60-70%は体内プールされ、侵襲期においても同様の結果であり、これまでの間接熱量計を用いた結果と異なる知見が得られた。今後も生体反応に対する動的解析を代謝と生体防御の面からすすめるつもりである。
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