1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404048
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Research Institution | UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
川内 基裕 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (00152918)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉竹 毅 埼玉医科大学, 総合医療センター, 教授 (60010261)
岡 輝明 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (60177029)
宮地 鑑 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281703)
竹田 誠 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (10236482)
中島 淳 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (90188954)
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Keywords | 異種移植 / 異種心臓移植 / 異種肺移植 / 日本猿 / ヒヒ / 霊長類 / methotrexate / 抗異種抗体 |
Research Abstract |
平成8年度は、平成5年度、6年度、7年度の異種移植実験の結果によって得られた検体(血清、移植組織標本等)を免疫組織学的に検査する事により、異種移植拒絶反応の実体を明らかにするとともに本研究において試みられた免疫抑制療法の評価検討を行った。異種移植肺の免疫組織染色では、SAB-PO法では顆粒球に対する非特異的な染色が強くみられ、モノクロナール抗体に特異的に染色されたリンパ球は極少数が散在して確認されるのみであった。SAB-GO法では生検組織では全体にCD20(+)細胞の浸潤がみられ、剖検組織で増加する傾向を認めた。またCD20(+)細胞に比べ極少数のCD8(+)細胞の散在がみられたが、生検組織と剖検組織を比較すると増加する傾向はみられなかった。CD4(+)細胞は生検・剖検組織とも染色性を確認できなかった。 抗異種抗体の定量による検討では、移植直後にはIgG,IgM抗体ともに有意な変化は見られなかった。生存期間の長い2例においてIgM抗体は移植後5から12病日に前値の10から30倍に増加し以後漸減した。内1例においてはIgG抗体も移植後5病日以降100倍以上に急増した。本研究の免疫抑制療法では、methotrexateを併用することで、抗異種抗体の抑制は十分ではないものの炎症細胞浸潤を抑制することができ、有効な免疫抑制効果が示されたと考えられた。レシピエントの死因は免疫抑制剤の副作用によるものと考えられ治療法に関してはさらに改善する余地があると考えられるが、今後異種臓器の完全な拒絶反応抑制及び長期生着を探求する上での端緒となりうるものと考えられ、既存の免疫抑制剤の併用により過去に報告例のないconcordant異種肺移植が臨床応用可能となりうることが示されたと考えられる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 竹田 誠 他: "ニホンザル-ヒヒ間異種肺移植におけるリンパ球サブセット解析" 今日の移植. 9(3). (1996)
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[Publications] Kawauchi M et al: "Which are the target vessels of xeno-and all-luny ryection ?" Transplant Proc. 28(3). 1416-1417 (1996)
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[Publications] Suzuki J et al: "Nonmuscle and smooth muscle myosin heavy chain expression in rejocted cardiac allografts." Circulation. 94(5). 1118-1124 (1996)
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[Publications] Takeda M et al: "Pretreatment with splerzectomy and FK506 in xeno lung transplantaleon" Transplant Proc. 28(3). 1435-1436 (1996)
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[Publications] Takeda M et al: "Methotrexate in rescue thcrapy for xensteanspl anted lungs in primates" Transplant Proc. 28(2). 792-793 (1996)
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[Publications] 川内基裕 他: "異種移植はどこまで進むか" 胸部外科. 50(1). 17-21 (1997)