1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404061
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
亀田 和夫 北海道大学, 歯学部, 教授 (70018414)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川浪 雅光 北海道大学, 歯学部, 助教授 (10133761)
山本 隆昭 北海道大学, 歯学部, 助手 (40230560)
今井 徹 北海道大学, 歯学部, 助教授 (40160030)
鎌田 勉 北海道大学, 歯学部, 助手 (20091431)
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Keywords | 構音制御 / 並列処理モデル / 構音筋 / ニホンザル / 顎運動 |
Research Abstract |
本研究では動物実験によるデータを基にコンピュータ上に大脳の発声中枢から咀嚼筋など構音筋および構音器官などの末梢に至る神経司令のモデルを作成し、そのモデルを用いて臨床における不正咬合・顎関筋症・歯周病などの口腔機能異常に伴って現れる構音機能異常を神経生理学的に解明しようとすることである。本年度における動物実験としてはニホンザルを使用して発声に伴う誘発電位および人工音・サルの音声の弁別行動に伴う誘発電位の記録、ニホンザル・ウサギにおける顎運動時の咀嚼筋筋電図・顎運動を記録した。音声弁別に伴う誘発電位の記録は人工音では第1音を背景音として第2音を聴取させた際の頭頂と耳だ間の電位を記録した。また同様に2つのサルの音声を弁別させた際の誘発電位を記録した。顎運動については大脳皮質咀嚼野を電気刺激し、誘発される顎運動および咀嚼筋筋電図活動を記録した。ウサギでは大脳の刺激によって誘発される顎運動のパターンについてこれまで報告されているような3つのパターンが見られたが、刺激部位によって顎運動パターンが異なるばかりでなく、舌運動が誘発されたり、唾液分泌が誘発されたりすることも観察された。構音には咀嚼筋ばかりでなく、舌あるいはその運動を滑らかにする唾液分泌も必要であるから、これらの各器官の個々の運動を記載し、構音におけるそれら運動の統合の仕組みを解明することが必要となる。さらに実験を継続し、構音運動モデルの作成のための基礎的データを収集したいと考える。ニホンザルについても大脳皮質咀嚼野刺激による顎運動の記録を行うが、刺激部位と顎運動パターンの対応についてもデータがなく、実験の継続によって構音時における顎運動についても興味ある知見がえられると思われる。臨床的研究については顎関筋症におけるマルチチャンネル電極による咀嚼筋筋電図の記録解析および歯周病を誘発する咬合異常時の長時間筋電図記録を行った。
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[Publications] 鎌田勉・亀田和夫: "発声中枢刺激によるラット超音波発声の動態" 歯科基礎医学会雑誌. 35(S). 230 (1993)
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[Publications] Kamada,T.and Kameda,K.: "Response properties of auditory cortical neurons in Japanese monkeys" Jpn.J.Physiol.43. S212 (1993)