1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05404072
|
Research Institution | Tsurumi University |
Principal Investigator |
大森 郁朗 鶴見大学, 歯学部, 教授 (70064342)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高見澤 豊 鶴見大学, 歯学部, 助手 (10257347)
高橋 智秀 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40247341)
中島 由美子 鶴見大学, 歯学部, 助手 (30237284)
伊平 弥生 鶴見大学, 歯学部, 助手 (40200018)
|
Keywords | 脱灰エナメル質 / 再石灰化機構 / HREM所見 |
Research Abstract |
昨年度に高分解能電顕(HREM)を利用するための試料作成技術を修得したことから、平成6年度には脱灰エナメル質のin vitroにおける再石灰化過程のHREMによる観察を松下テクノリサーチの専門的技能の提供を受けて、具体的に進展させることができた。 第一段階として、in vitroで酸処理エナメル質表層に生成した再石灰化物の結晶構造をHREMで観察すると共に、ハイドロキシアパタイトのTEM像シミュレーションを実施した。 HREMとシミュレーション像は上記再石灰化物の結晶構造はアパタイト結晶であることを明らかに示していた。このような結晶構造レベルの生成物確認手段の確立は、本研究の実験計画を着実に進めることを可能としている。 第一段階の研究結果は、「酸処理エナメル質上にみられた新生結晶の高分解能電子顕微鏡による観察」と題して、第9回日本小児歯科学会関東地方大会(1994年10月)で発表したが、HREM像とシミュレーション像から、CaおよびOH基の配列に良好な一致がみられたことを報告した。これらの結果をさらに再確認した所見については第42回JADR大会(1994年12月)で公表し、HREM像ならびにそのシミュレーション像の鮮明さの客観的評価を得た(Pediatric Dental Journal投稿中)。 第二段階としてin vitro実験ではあるが、HREM用試料作成法に昨年度から用いている超薄切片作製法とともにアルゴンイオンエッチング法も併用し、それらの資料のHREM観察を行って、新生結晶の結晶成長に関する新知見を得ている。これらの知見については第73回IADR大会(1995年6月)において発表する予定である。上述の所見はいずれも、加速電圧 200kVで、電子回折像の結晶配向性を認め、それぞれ4,710,000倍像についてスルーフォーカス法によるコンピューターシミュレーションを行って得られたものであるが、これらとは別に加速電圧400kVのTEM像も得ている。
|