1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451001
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田中 亨英 北海道大学, 文学部, 教授 (30008958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊野 純彦 北海道大学, 文学部, 助教授 (00192568)
山田 友幸 北海道大学, 文学部, 助教授 (40166723)
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Keywords | 意志 / 行為者 / 意図 / 幸福 / 身体 / 正義 / 実践 / 物理主義 |
Research Abstract |
2年度目の平成6年度は、前年度の基礎的研究の成果を受けて、各分野の研究相互の関係を明らかにする総合的研究を行った。 (1)古典的な問題解決法を現代の状況へどのように適用するかという問題については、田中(亨)・中澤・田中(伸)による前年度の研究成果を中澤・花井がとりまとめ、山田と協力して、現代的問題設定との比較を行なったうえで、現代の問題への適用の可能性を検討した。(2)現象学的・分析哲学的意志論の倫理学的な問題への適用については、吉谷・山田・中川による前年度の研究成果を田中(伸)がとりまとめ、宇都宮・熊野による前年度の研究によって浮び上がった倫理学的問題群に対してそれらがどのような寄与をなしうるかを、田中(伸)と熊野とが協力して考察した。(3)心の哲学・精神の哲学に対する意志論の関係を明らかにする研究に関しては、坂井・山田・吉谷による前年度の研究成果を基に、意志論の観点からの精神の哲学について吉谷がいっそうの研究の拡充をはかり、意志論が心の哲学においてどのような位置を占めるのかを、坂井の協力を得て明確化した。(4)言語哲学に関する意志論の役割を考察するため、山田らによる前年度の研究成果に基づいて、中川が判断論・言語行為論に意志論がどのようにかかわるのかを整理し、言語哲学上重要となる意志についての諸問題を、山田と協力して吟味した。(5)宇都宮・田中(亨)は、以上の各研究課題の分担者に対して、総合的見地から随時助言を行なうとともに、各研究間の調整に努めた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 田中亨英: "プラトンと歴史的ソクラテス(1)" 北海道大学文学部紀要. 41-3. 129-162 (1993)
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[Publications] 田中亨英: "ソクラテスの正義とわれわれの幸福" 哲学雑誌. 109-781. 1-20 (1994)
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[Publications] 宇都宮芳明: "カントと理性信仰" 北海道大学文学部紀要. 42-3. 83-166 (1994)
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[Publications] 熊野純彦: "理性とその他者-〈理性の外部〉をめぐる思考のために-" 岩波講座現代思想. 14. 159-190 (1994)
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[Publications] 坂井昭宏・吉谷啓次 他: "デカルトにおける第一性質の知覚" 北海道大学哲学会編 『哲学』. 30. 1-11 (1994)
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[Publications] 中川 大: "判断論の解体-ウィトゲンシュタインのラッセル批判をめぐって-" 北海道大学哲学会編 『哲学』. 29. 40-57 (1993)
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[Publications] 中澤努: "プラトン『テアイテトス』第二部における虚偽不可能論" 北海道大学文学部紀要. 42-2. 49-72 (1994)
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[Publications] 中澤努: "プラトン『クラテュロス』における「名前の正しさ」" 日本哲学会編 『哲学』. 44. 166-175 (1994)