1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
麻生 誠 大阪大学, 人間科学部, 教授 (00014689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 涼子 大阪大学, 人間科学部, 助手 (70224699)
赤井 誠生 大阪大学, 人間科学部, 助手 (90192872)
生田 香明 大阪大学, 健康体育部, 教授 (70012507)
中島 義明 大阪大学, 人間科学部, 教授 (90012492)
梶田 叡一 大阪大学, 人間科学部, 教授 (70000065)
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Keywords | 才能教育 / 高度情報化社会 / 情報処理知能 / 知能検査 / 認知心理学 / 内的認知変数 / 運動映像課題 / 運動・変化・時間要因 |
Research Abstract |
戦後のわが国の教育界は、平等主義の世論の前に、才能児や英才児に適切な教育環境を提供する思想に欠けるところがあった。しかしながら、いかなる才能に対しても一律な教育方法を用いるといった単純な教育思想はすでに過去のものとなり、いまや多様な能力に応ずる多様な教育方法の開発が目ざされている。そこで、才能教育に関する最も基礎的な知見の入手を目ざし、(1)高度情報化社会である現代に生産的に適応できる才能の概念を検討すると共に、(2)その才能を検出するためのパーソナル・コンピュータを用いた新しい情報処理知能の測定法の開発が目ざされた。 (1)に関しては、内外の諸知見やさまざまなタイプの既存の知能検査を検討することにより、新しい情報処理知能因子に関わる心理学的変数の特定を試みた。特に「思考」の領域に関係した認知心理学的接近をとる諸研究を検討することにより、いくつかの重要な情報処理知能因子の抽出を行った。この成果は大阪大学人間科学部紀要(1994)に掲載予定の論文「問題解決行動における内的認知変数」にまとめられている。 (2)に関しては、グラフィック課題として表象形成課題、抽象化課題、表象操作課題、適用課題の4種類の課題開発を行った。その際、それぞれにつき、パーソナル・コンピュータのディスプレイ上の運動映像課題と静止映像課題とを設け、運動・変化・時間要因の効果が分岐するように工夫した。また東大A-S知能検査S版(中1〜高校・成人用)を用い、一般知能、図形的能力、言語的能力、記憶能力を測定し、上で開発された課題の成績との相関をとることにより、開発課題が従来の知能検査で測定していたものとは異なる能力を測定しているのかどうかの吟味を行った。結果は、期待通り、新たな能力を測定していることを示唆する内容のものとなった。この成果は、日本心理学会第58回大会で発表予定である。
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Research Products
(1 results)