1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451078
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Research Institution | SHIMANE UNIVERSITY |
Principal Investigator |
芦田 耕一 島根大学, 法文学部, 教授 (30127477)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 明 島根大学, 法文学部, 教授 (00219437)
松尾 寿 島根大学, 法文学部, 教授 (50032610)
井上 寛司 島根大学, 法文学部, 教授 (40027967)
酒井 董美 島根大学, 法文学部, 教授 (70225762)
下房 俊一 島根大学, 法文学部, 教授 (70025063)
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Keywords | 奉納歌集 / 佐太神能 / 大社造 / 神能面 |
Research Abstract |
1.近代の島根県神社史料収集のため、国立公文書館、国立国会図書館および島根県立図書館に行き、多くの新史料を見出すことができた。今後の目標としては、佐太神社崇敬会の活動に見出されるような、地域社会と佐太神社の関係の実態に取り組む必要がある。 2.祭祀組織および周辺村落の民話等をフィールドワークを中心に調査した。特に、その中でも村落の年中行事を古老から聞いたが、米作りの折に神社の神事の結果により、植える品種を決定するなど、佐太神社との関係などに興味深い点が多かった。今後は祭祀のことを詳しく分析してみる必要がある。 3.佐太神社蔵の奉納歌集『言吹草』は1500首を含む大部なものであるが、出雲大社への奉納歌集『清池草』と姉妹関係にあることがはっきりし、出詠歌人も各地域にわたっている。多くの奉納歌集のレベル以上のものである。 4.宮司家所蔵の佐陀神能の台本を収集し、その解明分析を試みているが、複雑な成立経緯をもっていると思える。多くは後日を期したい。 5.神能の音楽的側面からの考察を試みた。 6.社家には神能面が多く蔵されているが、神能で使用されない鬼面も含まれており、問題を残す。 7.佐太神社は大社造の社殿が三殿並立する珍しい構えであるが、これを貞享年間の指図板で検討することにより、大社造の特質を明らかにした。
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