1993 Fiscal Year Annual Research Report
中世末期・ルネサンス期におけるフランス・ユマニスムの史的展開に関する総合的研究
Project/Area Number |
05451084
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
支倉 崇晴 東京大学, 教養学部, 教授 (50011317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 覚 三重大学, 人文学部, 助教授 (10251315)
松村 剛 東京大学, 教養学部, 助教授 (00229535)
石井 洋二郎 東京大学, 教養学部, 助教授 (90134402)
保苅 瑞穂 東京大学, 教養学部, 教授 (70011294)
井村 順一 東京大学, 教養学部, 教授 (00012328)
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Keywords | フランス・ユマニスム / ルネサンス / キリスト教会 / フランス王権 / フランソワ一世 / アウグスティヌス / 印刷術 / 中世フランス語 |
Research Abstract |
平成5年度には,以下の視点からの,各分担者の分析的な研究に重点がおかれた。 1)まず,ルネサンス概念が歴史上,いかなる契機により誕生し,以後いかなる変遷を遂げ,それが歴史理解にどのような関係を持ってきたかを考察するための資料を広く収集した。 2)ついで中世末期からルネサンスにかけての教会活動がいかなる関心によって行われていたかを,おもに信徒への説教,講話を通して浮き彫りにするため,未公刊史料,辞書などを収集・分析した。 3)CD-ROMを使った研究として,文学を中心とした,フランス語の歴史的変化及び地理的な相違について,当時の言語を分析した。 4)他方,イタリアの文化のフランスへの移入に関しては,とくにイタリア戦役をめぐる同時代の言説・図像を収集し,当時の社会との関係を分析した。 5)また,フランス社会内部の変動については,文学と社会の関連に注目し,一次資料および歴史的研究を収集しながら分析を行った。 このように複数の視点に立って,広く史料を収集したことにより,中世・ルネサンス期における長期的総合的な分析の礎石は,十分固められたといえよう。とりわけ宗教と社会という二領域の相互関連を,よりひろく文学・芸術との関係を視野に収めて,総括的に分析していく作業の準備が行われた。
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[Publications] 支倉 崇晴: "「パスカル,」『パンセ』注解」(3月発行予定)" 東京大学教養学部外国語科紀要. 41巻. (1994)
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[Publications] 保苅 瑞穂: "「手紙からみたプルースト」" 『プルースト全集』17,書簡II,筑摩書房. 17. 648-666 (1993)
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[Publications] 松村 剛: ""En marge de la Nouvelle Heloise"" 『東京大学教養学部外国語科研究紀要 フランス語教室』. 40巻. 11-41 (1993)
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[Publications] 松村 剛: ""Compte rendu:Au grey d'Amours,ed.Francoise Fery-Hue"" Revue de Linguistique romane. t.57. 319-325 (1993)
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[Publications] 山本 覚: "「ボードレールの『旅』-121行目「時間」をめぐっての考察」" 東京大学仏語仏文学研究会. 第9号. 77-80 (1993)
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[Publications] 支倉 崇晴(共同編集・訳): "ブレーズ・パスカル全集(メナール版)日本語版第一巻" 白水社, 495 (1993)