1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05451133
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
永田 晟 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (30087069)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 正己 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (90097262)
大田 富貴雄 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (20092041)
加藤 清忠 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (50063681)
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Keywords | 運動処方 / 高齢者 / 体力 / 筋収縮力 / 運動単位 / 誘発筋電図 / 筋力 / スペクトル |
Research Abstract |
高齢者として65歳以上の被験者(H群)7人、コントロール群として青壮年者(Y群)を5人(平均年齢32歳)合計12人、筋収縮力や運動単位の参加称相を誘発筋電図や筋張力から観察した。 その結果以下のことが得られた。 1、安静時の誘発筋電図M波と筋張力の称相から、高齢者群(H群)はコントロール群(Y群)と比較して、同一刺激強度によって筋収縮力が約2/3低下し、筋張力は4/5に減少していた。そしてM波スペクトルにおいても平均パワー周波数(MPF)はH群は平均48Hzであったか、Y群は平均72Hzであった。H群は安静時から筋疲労状態が起こっていたようで、廃用状筋委縮に類似していると考えられた。 2、10Hzや20Hzの低頻度電気刺激によるM波とM波スペクトル波形について比較すると、H群は平均7分間で筋疲労状態が誘発し、MPFが平均35Hzの徐波化傾向を示した。他方Y群は10〜15分の長時間刺激を加えても、筋疲労と徐波化傾向はみられなかった。 3、30Hzの中頻度電気刺激によると両群ともに約3〜4分間で筋疲労と余波化傾向が起こり、その後の回復過程において、H群は約2分で安静値に戻ったが、Y群は約30秒で回復した。こうした一時的な筋疲労と回復時間によって筋収縮力が評価された。 4、40Hzと50Hzの高頻度電気刺激によると、両群ともに約1分以内で筋疲労が発生し、M波スペクトルの余徐化(MPFが約30Hz)が観察された。 以上のことから高齢者の運動処方は長時間(約15分以上)、毎日、10Hz〜30Hz頻度の運動内容と種目が推奨される。具体的には日常生活の中にエクササイズ・ウォーキングや水中歩行を毎日行うことが薦められる。現在高齢者5名について上記種目の運動処方を実施中で、2ヶ月後には、その運動処方効果が判明する予定である。 高齢の疾患者45名についての計測は現在集計中であるが、電気刺激法による痛みについては、再検討しなければならない状況である。
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[Publications] 永田晟: "運動後のクーリングダウンの重要性とその実際" 治療-健康スポーツ医学. 75. 177-179 (1993)
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[Publications] 永田晟: "高齢者の神経、筋機能からみた体力" 臨床スポーツ医学. 9. 556-562 (1992)
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[Publications] 永田晟: "企業フィットネッスの中での運動処方" 産業医学. 臨時増刊. (1994)
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[Publications] 永田晟: "高齢者の神経筋機能疲労現象" 健康スポーツ医科学フォーラム. 4. (1994)