1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452063
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology (KIT) |
Principal Investigator |
松浦 基浩 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (80025361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 晋之 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (40170394)
萩原 亮 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 講師 (70198654)
遠藤 久満 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (20027907)
川村 光 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (30153018)
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Keywords | 非線型磁化率 / 磁気相転移 / 逐次相転移 / グラファイト層間化合物 / セラミックス / 酸化物高温超伝導体 / クラスター構造 |
Research Abstract |
昨年度に引続き、非線型磁気応答観測システム(以下システム)の観測領域拡大のための整備改訂を行った。併行して、システムの性能チェックを兼ねて非線型磁気応答観測を行いいくつかの興味ある事実を見出した。以下に結果の概要を述べる。 1)励起交流磁場振幅領域の拡大 相互誘導方式による高周波側のシステムについて、検出コイルの改良や新たなリ-ク補償回路等を付加することにより、非線型磁気応答成分の測定感度精度を落すことなく、約100 0eまでの交流振幅の下での観測に成功した。 横バイアス磁場下での観測 前年度購入した超伝導マグネットと上記高周波側のシステムを組み合せ、新たにヘルムホルツ型検出コイルを用いたクライオスタットヘッドを開発し、約1k0eまでの横バイアス磁場下で非線型磁気応答観測を行うことが可能となった。 磁性「セラミックス」の非線型磁気応答 CoCl_2-GlCおよびNiCl_2-G1Cについて、10Hzからほぼ1kHzまで連続的に周波数を変化させながらM^+_<3ω>-T曲線を追跡し、二段階磁気相転移の第一転移点における特異性が対称形から反対称形に移行していく様子を明確に捉え、これまでの実験結果からの予測を見事に裏付けた。 4)超伝導「セラミックス」の非線型磁気応答 交流磁場振幅を50 0e以上に増大することによって、YBa_2Cu_4O_8の二段階超伝導相転移の第一転移点において、これまで観測されなかったM′_<3ω>の異常を始めて検出することに成功した。また、参照実験として行ってきた有機超伝導体BEDT-TTF系の単結晶試料について微弱磁場の下で二段階の相転移を示唆する結果を得た。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Kawachi: "Successive Phase Transitions and the Intermediate 2C Order in Complex Mixed Magnets:Co_<1-x>Fe_xCl_2-GlCs." Memo.Facul.Engin.Des.KIT. 39. 1-13 (1994)
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[Publications] M.Kawachi: "Successive Phase Transitions of a Hierarchical Nature in a YBa_<12>Cu_4O_8 Ceramic Superconductor." J.Phys.Soc.Jpn.63. 3405-3411 (1994)
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[Publications] M.Kawachi: "Successive Superconductive Ordering of YBa_<12>Cu_4O_8 Ceramics-The Fffect of Intergrain Coupling-" Physica C. 235-240. 1955-1956 (1994)
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[Publications] 松浦基浩: "非線型磁気応答に観る「セラミックス」の秩序化" 物性研究. 63-64. 411-416 (1995)
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[Publications] 萩原 亮: "黒鉛層間化合物のスピン秩序化と非線型応答" 物性研究. 63-64. 423-426 (1995)