1993 Fiscal Year Annual Research Report
ピコ秒電子分光法による界面励起のダイナミクスに関する研究
Project/Area Number |
05452100
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡野 達雄 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (60011219)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
櫻井 誠 神戸大学, 理学部, 助教授 (90170646)
寺田 啓子 東京大学, 生産技術研究所, 教務職員 (50114567)
松本 益明 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40251459)
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Keywords | 表面 / 低速電子線 / 電子分光法 / 時間分解 / ダイナミクス |
Research Abstract |
固体表面や界面での局在励起の高速過渡現象は、超高速電子デバイスやオプトエレクトロニクスの機能限界を決める基礎物性として今日その解明が強く期待されている。本研究課題では、荷電粒子直射型ストリークカメラをベースとした高速時間分解電子分光装置の開発とその利用を目的として研究を進めている。装置は、電子直射ストリークカメラ、半球型エネルギー分析器、NEA光電陰極から構成され、シンクロトロン放射光施設に搬入可能な小型超高真空装置を含めて全体の設計製作を進めた。静電子光器の時間分解能を推定するために電子の軌道解析を行ない、飛行時間分布を明らかにし、これをもとにして,時間収束性の良好な電子分光器の設計を完了した。次年度に、高エネルギー物理学研究所と分子科学研究所の単バンチ放射光を励起源として、真空紫外領域からγ線領域に至る広いエネルギー領域でのパルス光電子放射過程の研究を行うべく、装置の調整を行っている。予備実験として行った高エネルギー研究所ARビームラインを利用した核共鳴散乱に随伴する内部転換電子の時間分解測定では、信号に含まれる光電子やX線の寄与が多く、現在製作中の回転楕円ミラー方式の静電分光器が有効であることが確認された。
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