1993 Fiscal Year Annual Research Report
極微細結晶粒カーボン60を用いた機能接合の界面組織学的研究
Project/Area Number |
05452291
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石田 洋一 東京大学, 工学部, 教授 (60013108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
関 史江 東京大学, 工学部, 助手 (20114572)
市野瀬 英喜 東京大学, 工学部, 助手 (30159842)
伊藤 邦夫 東京大学, 工学部, 教授 (20010803)
香川 豊 生産技術研究所, 助教授 (50152591)
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Keywords | 極微細結晶 / C_<60> / 接合 / 界面 / 電子顕微鏡 / 複合材料 |
Research Abstract |
極微細粒カーボン60大量作製として粒子生成装置の熱源及び加熱蒸発ボートの大型化などの改良、並びに回収条件の最適化を図った.これによって得られた極微細粒カーボン60について粒径測定、及び、高分解能電子顕微鏡による構造解析を行った.その結果、極微細粒カーボン60は常温で面心立方構造であるものの、特定の障壁面が現れず、外形は不定形に近いことが判った.金属でもセラミックスでもナノメートル以下のかなりの成長初期から特定の障壁面で囲まれた幾何学模様を呈するのが通常であるため、ファンデルワールス凝集力の特徴が極微細結晶粒の形状に現れたものと思われる.極微細粒カーボン60結晶体の機械的性質の評価として引張り試験によるS-S曲線の測定を行った.破断強度は0.5MPaと多結晶体の半分程度の値であるが、伸びが15%程度と単結晶、多結晶体に比べ高い伸びを記録していることから、単結晶、多結晶体とは異なる、粒界すべりを主な変形機構とする変形挙動を示している可能性を得た.さらに、炭素繊維との複合体の作製として電子顕微鏡による組織観察を行い、複合化の基礎となる接合界面のエピタキシーの有無などについて議論を行った.炭素繊維との界面においては格子定数の大きな違いからエピタキシー開係は認められなかった.しかしながら、(002)_<cf>//(200)_<C60>という方位関係が認められ、稠密面平行型の整合性の良い界面が存在する可能性が示された.また、Au超微粒子との複合化も試みた.Auを複合することにより、加熱時の極微細粒カーボン60粗大化を抑制し、熱的安定性を高めると共に、Au超微粒子を複合化したことによる硬さの変化はみられず、粒界すべりによる変形挙動に対して特に影響を及ぼすことはないと思われた.
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Research Products
(2 results)