1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452297
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石井 邦宜 北海道大学, 工学部, 教授 (00001214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 義見 北海道大学, 工学部, 助手 (50231014)
柏谷 悦章 北海道大学, 工学部, 助教授 (10169435)
|
Keywords | 介在物 / 希ガス溶解度 / Ar溶解度 / 高精浄鋼 |
Research Abstract |
鉄鋼製造工程における脱ガス工程や鋳造工程において、希ガスは溶鋼に溶解しないとして、溶存ガスや介在物の分離浮上を促進するためのバブリングガスとして多量に使用されている。しかしながら最近、アルゴンバブリングして鋳造した連鋳材の表層部に微細なブロ-ホールが多数発生する事実が見つかった。調査した結果そのブロ-ホールは、Ar気泡であることが判明し、これを気泡介在物と呼んでいる。そしてこの事実から、溶鋼中のAr溶解度が問題となってきた。溶鋼中のAr溶解度に関する実験的な研究は全く見られず理論的にも明確なものは無い。これらのことから、(1)溶鉄中Ar溶解度測定法の確立、(2)溶鉄中Ar透過能の測定、(3)Ar溶解度に対する添加元素の影響の調査、などを目的に研究を行った。 まず、水溶液系でArの溶解度および透過能を測定し、本実験で新しく開発した、溶解度および透過能測定装置の性能と精度を調査した。その結果、文献値と非常に近いAr溶解度が求められ、本測定装置の有用性と測定値の妥当性が確かめられた。また、これらの結果から、水溶液系でのAr透過速度は、水中のArの拡散が律速していることがわかった。 次に、溶融Snおよび溶融鉄中におけるArの溶解度および透過速度の実験を行い、300℃の溶融Snに対するArの透過速度は、4.828x10^<-4>cm^3/sと非常に速いことがわかった。 また、溶融Feに対するアルゴンの溶解度は、1.569x10^<-8>cm^3-Ar/cm^3-Fe(1580℃)であり、0.5%C(1530℃)では、約1/(20)の溶解量であった。
|