1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452314
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石島 洋二 北海道大学, 工学部, 教授 (10011115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤井 義明 北海道大学, 工学部, 助手 (70192309)
中村 章 北海道大学, 工学部, 助手 (60125333)
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Keywords | 模型試験 / 相似則 / 夾炭層岩盤 / 層理面 / 変形・破壊挙動 / 地層模型 / 強度特性 / 累層構造 |
Research Abstract |
有用で信頼性の高い情報を模型試験から引き出すためには、地層内で起こる諸現象と関わりの深い因子に関して原型との相似則が満たされるような模型を作製することが肝要である。今年度は、単層と層理面が累層した構造を持つ夾炭層岩盤に関し、岩石ならびに弱面、さらには累層構造をなす地層模型について材料試験を行い、変形・破壊、強度特性を調べた。なお、地層模型の内、岩盤(単層)材料として水-セメント比を調整したモルタル、層理面模型として油紙と直接打設の2種類を用いた。得られた主な知見は以下のようである。 (1)本研究で開発したモルタル系の岩盤模型は、変形・破壊挙動を規定する多くの力学的諸量の相似律が満たされている。また、脆性や延性などといった破壊後挙動や破壊の様相およびP波挙動などに関して、原岩盤と酷似している。 (2)2種類の模型の層理面は、強度特性を規定する力学的諸量の相似律が満たされている。これらの引張およびせん断強度は、各単層を構成する模型岩盤の対応する値よりも1/5〜1/50小さく、その変形・破壊挙動は原岩盤と似ている。 (3)地層模型は載荷方向と層理面のなす角度により異なった変形・破壊挙動を示し、地層模型の層理面と載荷方向のなす角度が35゚前後のとき、地層模型の変形・破壊挙動は層理面の影響を最も強く受け、角度が0゚付近または50゚以上になると、層理面の影響は小さい。 (4)累層した地層模型は単層同志の剛性の差や厚さなどの影響を受ける。すなわち、低強度層の破壊は高強度層の破壊に影響するので、全体の強度は高強度層の値より小さくなり、単層の数が増えるにつれて、変形係数は小さくなる。 上の(3)と(4)における累層構造の変形・破壊挙動には、原岩盤と共通した現象が幾つか確認され、(1)と(2)の結果も合わせて、本研究で開発した地層模型は夾炭層岩盤との相似性が高く、高精度・高品質の模型であるといえる。
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