1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05452341
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小口 高 東京大学, 大学院理学系研究科, 助手 (80221852)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 淳 東京大学, 大学院理学系研究科, 助教授 (80165894)
斉藤 享治 埼玉大学, 教育学部, 助教授 (60170495)
|
Keywords | 大規模崩壊 / 河床変動 / 河床堆積物 / 斜面形態 / 河川流出 / 植生遷移 |
Research Abstract |
平成5・6年度にかけて、1:崩壊発生時以降の空中写真と地形図の収集、2:写真判読と現地調査による河岸段丘の分類、3:河川の縦断面・横断面の実測データの収集・整理、4:段丘崖と谷壁斜面の形態に関するデータ収集・整理、5:河床堆積物の層厚の計測、6:ダムにおける堆砂および流量データの収集・整理、7:水位計による流量データの収集、8:雨量計による降水量資料の収集、9:段丘面上の植生調査を行った。その結果、1:河道変動が断続的に活発に行われており、下刻速度及び側刻速度の局地的変化が大きい、2:河道形態における網状流路と蛇行流路の分化が進んでいる、3:段丘崖の勾配は初期に急速に減少しその後は安定化する、4:御岳崩れ時の土石流によって裸地化した谷壁斜面の侵蝕形態は2〜3タイプに区分できる、5:伝上川と濁川では電気伝導度が大きく異なり、河道付近の植生に与える影響が異なる、6:段丘面の離水年次により植生の遷移が明瞭に異なる、ことなどが判明した。 平成5・6年次における現地調査および資料収集・整理は当初予定した計画に沿って行われており、順調に研究は進展していると考える。本研究は数年間の観測・測量結果が整って初めて、河川地形・流域の変遷が明らかとなるが、既存の資料と比較したところ、現在の地形変化速度が依然として大きいことが明らかとなったので、地形発達の時系列的分析が十分可能との見通しが立った。また、水文・気象資料についてもデータが集積されつつある。なお、河川横断面測量においては御岳崩れ発生直後に設置した基準点が流出および不明になっている箇所が存在し、新たに基線を設定する必要が生じたが、断面測量については個別箇所を検討するのではなく、数段面の平均値を検討対象としているので、研究上は大きな支障にならないと考える。
|