1995 Fiscal Year Annual Research Report
連続自動観測に基づく貯水池の藻類増殖機構の解明と制御技術の開発
Project/Area Number |
05452402
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
真野 明 東北大学, 工学部, 助教授 (50111258)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 忠晴 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (50159696)
野池 達也 東北大学, 工学部, 教授 (90005398)
須藤 隆一 東北大学, 工学部, 教授 (70109916)
田中 仁 東北大学, 工学部, 教授 (30171755)
後藤 光亀 東北大学, 工学部, 助教授 (80134013)
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Keywords | 藻類増殖 / 光合成 / 溶存酸素 / 栄養塩 / 懸濁物質 / 混合 |
Research Abstract |
1.真野・後藤は1995年7月より11月まで,宮城県中原貯水池における連続自動観測と定期採水を行い,水質項目の分析を実施した.また明暗瓶法により光合成速度を観測し,また底にチャンバーを設置して,底泥の酸素消費速度を測定した.これら水質データと気象データを解析し光合成におよぼす,最適日射量と最適水温を求め,両者を考慮したモデルを作成した.これをシミュレーションに組み込み,酸素と藻類変動の精度のよい予測を可能とした. 2.田中は宮城県志津川湾において流速・水温・DOの観測を行った.これと気象・潮位データを解析し,潮位差と西風がある条件を満たすとき,急激な海水交換が生じることを明らかにした.また流入河川からの汚濁負荷特性を観測より明らかにし,水温と水質の変動を予測するモデルを開発した. 3.須藤は湖沼における藻類の増殖特性と種間の優占化機構を解明した.代表的な藍藻類を連続培養実験し,培養時間,温度,N/P比の影響を調べた.この結果,富栄養化した湖沼においては,N/Pの増加に伴い,藍藻類の優占化が高まること,水温の増加と共に藍藻類の優占化が高まることなどを明らかにした. 4.野池はリン制限のダム湖に流入するリンを除去するための前貯水池(プレダム)の効果を調べた.パイロットプラントをつかって調べた結果,浮遊物質と懸濁性リンが除去されることが確認された.また嫌気性の条件では懸濁性のリンからPO4の溶出が大きく,潜在的なリンの供給源として無視出来ないことを明らかにした. 5.石川は宮城県七が宿貯水池をフィールドとして,洪水時に流入する濁質に関する観測を行った.また貯水池直上流の河川で連続採水を行い,流量と濁度,SS,リンの時間変化を調べ,諸量の相互関係を明らかにした.また貯水池内での濁水の運動と濁質の沈降を観測し,その特性を明らかにした.このほかに,流域の降雨特性,流出特性について研究し,流域から貯水池に至る濁質の挙動を考察した.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 岡史浩・真野明・後藤光亀: "貯水池における酸素の消費・生産特性" 水工学論文集. 40(印刷中). (1996)
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[Publications] 藤本尚志・須藤隆一・他: "全国湖沼データの解析による藍藻類の優先化と環境因子との関係" 水環境学会誌. 18. 901-908 (1995)
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[Publications] 林雄一郎・田中仁・首藤伸夫: "成層化した内湾における海水交換の現地調査" 土木学会年次学術講演会講演集. 50. 581-51 (1995)
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[Publications] 横山勝英・梅田信・石川忠晴: "七が宿貯水池に流入する濁水流の可視化観測" 土木学会関東支部技術研究発表会発表概要. (印刷中). (1996)