1994 Fiscal Year Annual Research Report
分子内相互作用を利用したクラウンエーテル型ケイ光・吸光試薬の開発
Project/Area Number |
05453065
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 博 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 教授 (00117194)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 登 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (00158461)
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Keywords | 蛍光試薬 / エキシマー / アルカリ土類金属 / アントラセン / ポリエーテル |
Research Abstract |
開環型のクラウンエーテル類似化合物をアミノ基を両末端に有するポリエーテルとアントラセンなどの多環芳香族カルボン酸から合成した。本年度は錯形成と螢光スペクトル変化に対するポリエーテルの鎖長の長さの効果について主として検討を行った。まず、対応するポリエチレングリコールより通常の方法によりジアミノ化合物を合成し、これに目的とする芳香族カルボン酸の塩化物を反応させて目的とする物質を合成した。ポリオキシエチレン鎖が3の3-AAでMg^<2+>やCa^<2+>イオンを共存させるとモノマーピークの増大がみられた。これは、freeの状態でも短い鎖長なので相互作用していた2つのアントラセン環が錯形成により引き離されるためである。一方、4-AAではMg^<2+>,Ca^<2+>,Sr^<2+>と錯形成するとダイマーもしくはエキシマー型のブロードなスペクトルに変化した。これは昨年度に合成した4pAAと同じように錯形成にともなって、2つのアントラセン環が重なりがしやすい長さのためと考えられる。さらに、6-AAでは錯形成によってモノマーのピークの増大が見られた。これは6-AAでは鎖長が長すぎて、錯形成してもうまくアントラセン環が重ならず、かえって孤立するためと考えられる。 さらに本年度は同様な原理に基づき、一方に螢光性発色基としてアントラセン、もう一方にその消光剤であるアントラキノンを導入した化合物も合成した。この化合物も上記と同様な錯体を形成し、それによって蛍光が消光された。この様子は^1H-NMRの測定によって観測され、アントラセンとアントラキノン環が平行に重なっていることが証明された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuhara Sugawara: "Electrochemical Assay of Avidin and Biotin Using a Biotin Derivative Labeled with an Electroactive Compound21GC01:Analytical Chemistry" 67. 299-302 (1995)
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[Publications] Masami Fukushima: "Interpretation of Acid-Base Equilibria of Humic Acid by Continuous pK Distribution Model and Electrostatic Model" Analytica Chimica Acta. 302. 365-373 (1995)