1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05453154
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
若松 貴英 京都大学, 工学部, 教授 (50025897)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日下 英史 京都大学, 工学部, 助手 (60234415)
新苗 正和 京都大学, 工学部, 助手 (50228128)
中廣 吉孝 京都大学, 工学部, 教授 (10026015)
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Keywords | 疎水性鉱物 / ダイヤモンド / グラファイト / 浮遊選別法 |
Research Abstract |
現在、工具用素材として使用される人工ダイヤモンドの大部分は、融剤法により合成されたものである。本方法の合成反応生成物からダイヤモンドのみを分離精製するためには、不純物としての未反応グラファイト,使用した鉄およびニッケルなどの融剤金属および合成反応容器として使用したセラミックス煉瓦などを直接的な化学処理法で除去を行い、高純度人工合成ダイヤモンドの精製を行っている。しかしながら,この化学的精製プロセスでは多量の化成品を消費するので化学的廃棄物の発生量も膨大なものとなっている。従って,より経済的で環境保全に合った適切な精製プロセスの開発が望まれている。当研究室では、化学的精製法に依らない方法として浮遊選別法を適用し、未反応グラファイトおよびセラミックス煉瓦などの不純物の除去について検討を行ってきている。特に本研究では,相互分離が極めて困難な産物の組み合わせであり,疎水性鉱物の代表であるダイヤモンドと未反応グラファイトの混合物からそれぞれを優先的に浮選分離するプロセスの適用可能性について検討を行った。まず、捕収剤としてエロフロートあるいはケロシンを用い、両者単独試料の浮遊性に及ぼす各種抑制剤の効果について検討した。ケイ酸あるいはリン酸化合物によりダイヤモンド浮遊率は著しくて低下するが,グラファイト浮遊率はこれらの抑制剤の添加によっても変化は殆ど認められず高浮遊率を維持したままであることが確かめられた。以上の結果より,上記化合物の加水分解反応生成物がダイヤモンド表面に吸着し、同表面を親水生化していることを考察した。また,上記結果を基に,両者の混合試料を対象とした浮遊選別法による優先分離試験を行い,抑制剤としてリン酸化合物,起泡剤としてパイン油,捕収剤としてケロシンを選定することにより,アルカリ性パルプでダイヤモンド品位97%,同回収率96%の沈降産物として回収可能なことが確かめられた。
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