1994 Fiscal Year Annual Research Report
細菌の細胞周期における蛋白質の燐酸化、カルシウムイオン、細胞骨格様蛋白質の役割
Project/Area Number |
05453161
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
永井 和夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00011974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和地 正明 東京工業大学, 生命理工学部, 講師 (90192822)
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Keywords | ヒストン様蛋白質 / H-NS / 細胞周期 / カルシウム / 細胞骨格様蛋白質 / cafA / ams / アルコールデヒドロゲナーゼ |
Research Abstract |
大腸菌のヒストン様蛋白質H-NSの欠失変異株では、野生株と比べて核様体が不規則に分布していることを見い出した。これはH-NSが染色体の分配において何らかの役割を果たしていることを示唆している。 大腸菌の細胞周期におけるカルシウムの役割を明らかにするために、培地中の高濃度のカルシウムによって生育が阻害される変異株CS2-29と、高温感受性が抑制される株SH3450の解析を行った。CS2-29株のカルシウム感受性にかかわる変異を相補する遺伝子を、コスミドベクターを用いてクローン化した。得られたクローンはKoharaの大腸菌染色体整列クローンに対するハイブリダイゼーションによって大腸菌染色体地図上48分にマップされた。同様に、SH3450株のカルシウム依存的増殖にかかわる遺伝子についてコスミドクローンを分離した。得られたクローンは90分にマップされた。現在、これらのクローンからカルシウムに関わる遺伝子のサブクローニングを行っている。 過剰発現により細胞内に細胞骨格様構造体を形成するcafA遺伝子の機能を明らかにするためにcafA遺伝子の破壊株cafA::catを構築した。RNaseEの変異株amslの温度感受性がcafAプラスミドによって部分的に回復されること、amsl cafA::catの二重変異株ではその温度感受性が増強されることを見い出した。また、cafA::cat株においてAdhE(アルコールデヒドロゲナーゼ)が過剰発現していることを見い出した。
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[Publications] Haruo Ohmori: "The pcsA gene is identical to dinD in Escherichia coli." J.Bacteriol.177. 156-165 (1995)
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[Publications] Vic Norris: "Cell cycle control:Prokaryotic Solutions to Eukaryotic Problems?" J.theor.Biol.168. 227-230 (1994)
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[Publications] Yoshio Okada: "Cytoplasmic Axial Filaments in Escherichia coli Cells:Posssible Function in the Mechanism of Chromosome Segregation and Cell Division" J.Bacteriol.176. 917-922 (1994)