1993 Fiscal Year Annual Research Report
コナラ属7樹種の遺伝資源のin situ保存に関する分子遺伝・生態遺伝学的研究
Project/Area Number |
05454039
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大庭 喜八郎 筑波大学, 農林学系, 教授 (80176982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
津村 義彦 農林水産省, 森林総合研究所, 研究員
戸丸 信弘 筑波大学, 農林学系, 助手 (50241774)
中村 徹 筑波大学, 農林学系, 講師 (60015881)
内田 煌二 筑波大学, 農林学系, 講師 (10015670)
荒木 眞之 筑波大学, 農林学系, 助教授 (80193077)
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Keywords | コナラ属 / 遺伝資源 / in situ conservation / アイソザイム / 葉緑体DNA / 地域変異 / 系統分化 / 移入交雑 |
Research Abstract |
関東地方とその周辺の天然林集団を対象とし、コナラとミズナラとが混成している1集団、ミズナおよびミズナラ3集団とコナラ4集団の合計9集団からアイソザイム分析試料として、個体別に小枝を採取した。 1.アイソザイム分析:小枝の内樹皮を用い、26酵素種に分析した結果、次の8酵素種で分析可能なことが判明した。すなわち、GOT、LAPAAP、GDH、ACO、GK、PODおよびGRの8酵素種で、ザイモグラムにより、(1)GOT(Got:ダイマー型)、(2)LAP(Lap-1:モノマー型)、(3)AAP(Aap-1:モノマー型)、(4)GDH(Gdh:テトマラー型)、(5)ACO(Aco-1,Aco-2:モノマー型)、(6)GK(Gk:モノマー型)、(7)POD(Pod:モノマー型)、(8)GR(Gr:テトラマー型)の遺伝子座と遺伝様式を判定した。 2.アロザイムの樹種間および種内変異:種レベルにおける遺伝的変異は、(1)多型遺伝子座の割合(95%水準)、(2)1遺伝子座あたりいの対立遺伝子数、(3)1遺伝子座あたりの対立遺伝子の有効数および(4)平均ヘテロ接合度(期待値)は、コナラでは、85.7%、3.29、1.53、0.242、ミズナラでは57.1%3.71、1.57、0.279であり、比較的に高い数値であった。集団間の遺伝的分化の程度を示す遺伝子分化係数はコナラが0.023、ミズナラが0.024であり、いずれも全変異量の約98%が集団内の保有されていた。アイソザイムの対立遺伝子頻度による遺伝距離のクラスター分析で、両樹種は完全に群別された。 3.DNA分析:CTAB法(Murray and Tompson 1980)を改変した方法(Wagner et al.1991)wp用い、新葉から全DNAを抽出した。
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