Research Abstract |
1.トルコギキョウの施肥基準曲線の作成と最適な多量肥料要素の構成比の検索 湛液式の水耕装置によって,窒素濃度を100ppmに維持しながら栽培した実験から,窒素吸収曲線を作成し,生体重の増加量を基にした生長曲線との相互修正を行って,4作型について窒素施肥曲線を作成した。その後,これらを詳細に検討した結果,基準となる施肥曲線は,春〜秋および秋〜初春に生育する作型の二つのタイプとなることが分かった。また,多量要素の構成比は,N:100,P:12,K:112,Ca:78,Mg:13が適当であると考えられた。さらに,これらの施肥曲線の検証栽培をNFTで行った が,初夏切りの栽培を除いては十分に生育せず,基準曲線を確立するまでには至らなかった。従って,トルコギキョウの養液管理については今までの研究結果をベースにして,栽培装置・方式も含めて再検討したいと考えている。 2.NFT方式の養液栽培によるキクの施肥基準曲線の検証栽培 前年度までに作成したキクの窒素施肥基準曲線を用いて,二つの作型についてNFT栽培を行ったところ,商品価値の高い切り花が得られたので,この方法は実用化に移せると考えられた。また,窒素施用量に対するPとCaの施用割合を詳細に検討したところ,N:100に対してP:10〜12,Ca:35〜40が適当であることを確かめ,これらの要素はこの比率で窒素と同時に施肥曲線に沿って施用すればよいことが分かった。さらに,この基準曲線をスプレーギク栽培に用いたところ,高品質な切り花が得られたので,この方法が適用できる範囲を広げることが出来た。 3.施肥曲線を用いたパソコン制御による自動施肥装置の作成 この培養液管理法はマニュアルで行うと煩雑なため,施肥曲線の関数式を用いてパソコンに制御させる自動施肥装置を考案した。しかし,全栽培期間に亘って完全自動制御にしてしまうことは,予期しない環境や生育状況の変化に対応できない場合もあるので,栽培者の判断も加えることが出来るように半自動で作動させるように改良を加えている。
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