1993 Fiscal Year Annual Research Report
ランの周年生産体系における施肥技術のための基礎的研究
Project/Area Number |
05454056
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
田中 豊秀 宮崎大学, 農学部, 教授 (80026377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
位田 晴久 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60151768)
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Keywords | ラン / ファレノプシス / 培養土 / 施肥 / 成分分析 |
Research Abstract |
1.ファレノプシスを用い、当研究室のこれまでの研究で得られた各施肥成分の適正濃度を基に、イオンバランスも考慮した組成の液肥を作成し施与したところ、対照の慣行施肥に優るとも劣らない生育結果が得られた。ただしランのように栽培が長期にわたるものについては培地の種類による養分が保持力の差の影響がかなりあるため、次年度も引続き検討を進める予定である。なおNO_3-N:NH_4-Nは7:3が生育が優れていた。 2.1の実験に供試した植物体について、施肥各要素の各部位別含有量の経時的変化を調査した。その結果、いずれの要素においても含有率が増加する傾向がみられ、窒素については茎部の、リンについては根部の含有率が他部位より高く推移していた。 3.従来ラン栽培に最も適するとされてきた水苔、入手や植え替えが容易かつ安価なボラとピートの混合培地、2種類のバーク培地の4種類の培地について培地資材の違いの影響を調べた。培地中の各成分濃度の経時的変化を購入備品のイオンクロマトグラフを用い調べたところ、いずれの培地においてもNO_3-N,Ca,Mgではかなりの集積がみられたのに対し、NH_4-N,P,Kでは施与濃度より低い水準で推移した。培地の中では生育が最も優れていた水苔区で、他の培地区に比べほぼ全ての要素について濃度が高く、培地としての養分保持能力が大きく肥料養分が緩効的に作用していると考えられた。なお比較的生育の良かったボラとピートの混合(1:1 v/v)培地では、他の培地に比べ培地溶液中のリン濃度が低く推移しており、ファレノプシスの適正リン濃度100ppmを維持するためにはリン濃度を高めた組成での施与が好ましいと考えられた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 位田 晴久: "オンシジウムの培養環境に関する研究" 園芸学会九州支部研究集録. 2. 161-162 (1993)
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[Publications] 位田 晴久: "ファレノプシスの育苗用培地について" 日本生物環境調節学会第32回集会-日本農業気象学会1994年度大会講演要旨. (1994)
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[Publications] 位田 晴久: "オンシジウムの培養環境に関する研究" 園芸学会雑誌. 62別1. (1994)