1993 Fiscal Year Annual Research Report
耐乾燥性ポプラ属樹木の遺伝変異および遺伝子保存に関する研究
Project/Area Number |
05454077
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井出 雄二 東京大学, 農学部(林), 助教授 (90213024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 克己 東京大学, 農学部, 助手 (80211895)
渡邊 定元 東京大学, 農学部(林), 教授 (30182918)
佐々木 恵彦 東京大学, 農学部, 教授 (20196158)
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Keywords | 耐乾燥性 / ポプラ / 組織培養 / 遺伝子保存 |
Research Abstract |
平成5年度は研究開始初年度であるため、実験材料や設備の準備を中心に行なった。耐乾燥性遺伝子の保有が期待される中国の乾燥地産のポプラ属樹木を中心に遺伝子資源の導入に努めた。この結果、毛白楊(Populus tomentosa)、毛新楊(Populus alba cv.Pyramidalis×Populus tomentosa)および胡楊(Populus euphratica)の3種を導入できた。これら3種のポプラについて、葉柄あるいは芽生えの胚軸等を外植体とした組織培養による植物体再生法および継代培養によるクローン大量増殖法を確立し、今後の耐乾燥性遺伝子の検索のための材料の安定供給が可能となった。これらポプラについて順化個体からさし木苗を育成し、ポット栽培条件下での乾燥耐性について予備的な実験を行なった。さらに、in vitroでの耐乾燥性および耐塩性の確認実験についても予備的な試験を行い、3種のうち胡楊が最も耐性が高い可能性があることを確認した。一方、ポプラ属樹木の遺伝子資源の保存に資するため、東京大学演習林においてこれまでに収集してきた、雑種ポプラのうち37品種について葉柄の培養による不定芽の形成および植物体再生を試みた。この結果、33品種で不定芽の形成が確認され、11品種では発根して植物体が再生した。再生した植物体は、順化後野外で生育させることが可能であった。この結果から、葉柄培養がポプラ遺伝子資源の保存方法として利用可能であることが明らかになった。
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Research Products
(1 results)