異なる森林タイプが河川水の量と質の形成に与える影響の研究

1995 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05454081
• Research Institution: Tokyo University of Agriculture and Technology
• Principal Investigator: 塚本 良則 東京農工大学, 農学部, 教授 (60014924)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 窪田 順平 東京農工大学, 農学部, 助手 (90195503) ; 石橋 整司 東京農工大学, 農学部, 助手 (30212921) ; 生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960) ; 中村 浩之 東京農工大学, 農学部, 教授 (90242239)
• Keywords: 森林タイプ / 河川水 / 流出量 / 水質 / 窒素の循環 / 林分構造

Research Abstract

平成7年度には、平成5、6年度に引き続き森林タイプが河川水の量と質に与える影響を、多摩川流域や渡良瀬川流域の天然林、人工林、2次林等で観測を行うとともに、観測結果を検討した平成7年度の観測項目および解析結果は以下の通りである。
1.試験地および観測項目
多摩川流域内の東京農工大学波丘地利用実験実習施設内および群馬県渡良瀬川流域の東京農工大学大谷山演習林・草木演習林内に設定された水文観測流域において、流出水の流量および溶存元素濃度の観測が行われた。
2.森林タイプと土壌の物理性および雨水流出特性の解析
不均質性が強い森林流域内の洪水流出過程を再現するモデルを作成した。このモデルでは特に流域内の土壌特性の分布が流出特性に与える影響を解析できるようにすることに主眼がおかれている。このモデルを用いて、森林タイプ毎に異なる土壌の物理特性の分布の流出に与える影響を検討した。
3.森林タイプと渓流水の溶存元素濃度の形成過程の解析
本年度は、特に同位体を用いた脱窒過程の解析を中心に行った。この結果、脱窒過程が降雨直後の比較的限られた時間に起きていることが示唆された。また森林流域における脱窒速度の実態が明らかにされた。

Research Products

• [Publications] 大類清和,他: "森林集水域での土壌から渓流への水質変化" 日本林学会誌. 75. 389-397 (1993)
• [Publications] 中村雅志: "被層化されてまもないヒノキ二段林の林分構造と施業実行じの問題点" 日本林学会論文集. 104. 261-264 (1993)
• [Publications] 戸田浩人,他: "森林土壌中における窒素無機化の反応速変論的解析(I)" 日本林学会誌. 76. 141-151 (1994)
• [Publications] 大類清和,他: "森林小流域における渓流水質に及ばず諸要因の影響" 日本林学会誌. 76. 383-392 (1994)
• [Publications] 大類清和,他: "森林小集水域での水質過程の変化" 水文・水資源学会誌. 8. 367-381 (1995)
• [Publications] Jumpei Kubota,et al.: "Towurds a Catchment scale Model of Subscerfue Kunoff Generation" Hydrological Processes. 9. 541-554 (1995)