1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454087
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
谷口 髞 新潟大学, 教育学部, 教授 (20126428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三城 昭義 新潟大学, 農学部, 助教授 (90012004)
屋代 真 新潟大学, 農学部, 教授 (00018532)
岡村 圭造 京都大学, 農学部, 教授 (50026506)
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Keywords | 木材・無機化合物複合体 / 木材・ホウ素化合物複合体 / 木材・酸化ホウ素複合体 / 力学的特性 / 熱的特性 |
Research Abstract |
本研究は、木材にホウ素化合物を含浸・複合化し、単一操作で木材に新しい複数の機能を付与することを目的とし、本年度は、前年度に得られた成果に基づき、水に難溶な酸化ホウ素化合物を選び、木材を膨潤させかつ同化合物を溶解する非水溶媒の種々の組成よりメチル・アルコールを選び木材・酸化ホウ素複合体を作製し、以下の項目について検討した。 1.複合体中での酸化ホウ素化合物の形態と分布:木材細胞中での同化合物の存在状態について、微小領域X線回折分析およびX線マイクロアナライザーにより調べたところ、同化合物は、主として細胞壁中に結晶構造を呈して存在することが分かった。 2.木材・酸化ホウ素複合体の力学的特性:酸化ホウ素をモノ・アルコール系により含浸・固化して得られる木材酸化ホウ素複合体の力学的強さは、いずれも無処理木材に比して驚異的な強さを発現した。その強さは、同化合物が木材細胞壁中で、結晶構造を成し存在することによるものと推定した。 3.木材・酸化ホウ素複合体の熱的特性:同複合体に走査熱量計(DSC)および簡易燃焼装置を用い熱的性質を検討したところ、同複合体は、酸化ホウ素含有量20%以上で305℃までは形態に変化はなく熱的に安定で、355℃で表面は炭化するが、火炎の発生は見られず、すぐれた耐燃性を示した。 4.成果の公表:当該2年度にわたる研究成果は、学会口頭発表2件(内1件は終了)、学会誌発表2件(投稿中および投稿準備中)および研究報告書(作成中)として公表するとともに、新聞(日刊工業新聞、平成7年3月3日号)にも広く紹介された。
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