1993 Fiscal Year Annual Research Report
魚類の培養肝細胞によるビテロゲニンの合成と下垂体ホルモンによる調節機構
Project/Area Number |
05454088
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
麦谷 泰雄 北海道大学, 水産学部, 教授 (50001615)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 司 北海道大学, 水産学部, 助手 (60241379)
|
Keywords | ビテロゲニン / エストロゲン / 成長ホルモン / プロラクチン / 肝細胞 / 培養 / ウナギ / ニジマス |
Research Abstract |
魚類の卵黄成分であるビテロゲニン(Vg)の合成機構を明らかにするために、コラゲナーゼ還流法により分離したウナギとニジマスの肝細胞を用いて、エストロゲン(E_2)によるVgの合成に対し、脳下垂体ホルモンがどのように関与しているかについて調べ、次の結果を得た。 1.ニジマスの肝細胞では、E_2添加により培地に多量のVgが合成 分泌されたが、ウナギの場合には、E_2だけではVgはほとんど合成されなかった。この場合脳下垂体ホルモンである成長ホルモン(GH)またはプロラクチン(PRL)をE_2と共に培地に加えることにより、多量のVgが合成された。 2.In vivoにおいても、脳下垂体摘除ウナギにE_2を投与した場合には、Vgの合成は誘起されなかった。 3.E_2であらかじめプライムしたウナギから分離した肝細胞においても、E_2の添加だけではVgの合成能は徐々に低下したが、これにGHまたはPRLを加えることによりVgの合成能は顕著に促進された。 4.Vgの合成は、E_2(2x10^<-6>M),GH(50ng/ml)およびPRL(1ug/ml)の添加濃度で最大におなった。 以上の結果から、ニジマスとウナギではVgの合成に対する脳下垂体ホルモンの関与様式が異なり、特にウナギの場合にはE_2だけではVgの合成はほとんど誘起されず、GHまたはPRLの存在下においてE_2によりVgが顕著に合成されることが明らかになった。
|
Research Products
(1 results)