1994 Fiscal Year Annual Research Report
伴侶動物の腫瘍における腫瘍関連遺伝子の発現異常の臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
05454125
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
高森 康彦 大阪府立大学, 農学部, 教授 (50090460)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松山 聡 大阪府立大学, 農学部, 助手 (10254442)
大橋 文人 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (10126013)
久保 喜平 大阪府立大学, 農学部, 助教授 (40117619)
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Keywords | 伴侶動物 / ネコ乳癌 / c-kit遺伝子 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 / 遺伝子マッピング / プロヒビチン / RT-PCR |
Research Abstract |
ネコプロヒビチン遺伝子をクローニングするために,ネコ肝臓cDNAライブラリーを作製し,RT-PCR法により作製したcDNAプローブ(443塩基対)によってスクリーニングした.得られた18個の陽性クローンの内,2つのクローンの約1,300塩基対のインサートの塩基配列を調べた結果,いずれもプロヒビチンcDNAを含むことが明らかとなった.また,前述のプロヒビチンcDNAプローブを用いて,前年度に作製したネコゲノムライブラリーより4つのゲノムDNAクローンを得ることに成功した.このうち1個のゲノムDNAクローンをプローブとして蛍光in situ hybridizationを行った結果,本遺伝子をB4染色体長腕にマッピングすることに成功し,現在,他のプローブによる確認を急いでいる。 上述のプライマーを用いて,ネコ以外の動物(イヌ,牛,馬,ウサギ)の肝臓より調整したtotal RNAを出発材料にしてRT-PCRを行った.その結果,いずれの動物種においても,ネコの場合と同様,約440塩基対の長さのDNA断片が得られ,その部分の塩基配列を調べた結果,非常に保存性が高く,この部分がプロヒビチンの機能で重要な部分であることが示唆された. イヌの肥満細胞種におけるc-kit遺伝子の発現と腫瘍マーカーとしての有用性を検討するために,イヌ肥満細胞種の臨床材料から得たtotal RNAを用いて,動物種間で良く保存されている部分の塩基配列をプライマーとしRT-PCRを行い,c-kit遺伝子の増幅を試みた.その結果,ヒトやラットの配列より予想された長さ(約800塩基対)と一致するバンドの増幅に成功した.現在,他の肥満細胞種の症例や他の腫瘍におけるc-kit遺伝子の発現について検討している. erb B遺伝子群については,上述のcDNAライブラリーを用いて現在クローニング中である.
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