1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
遠藤 玉夫 東京大学, 医科学研究所, 助手 (30168827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 清 東京大学, 医科学研究所, 助手 (10190133)
木幡 陽 東京都老人総合研究所, 所長 (30030852)
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Keywords | 免疫グロブリンG / リウマチ / 糖鎖構造変化 / 糖蛋白質 |
Research Abstract |
ヒトIgGの糖鎖は他の血清糖蛋白質に類を見ない構造多様性を持ちながら、健常人血清IgGの糖鎖パターンは極めて高い恒常性を示すという特色がある。我々はリウマチ患者の血清IgGの糖鎖ではガラクトースの含量が異常に低下していることを発見し、100例以上の慢性関節リウマチ患者についてIgGの糖鎖パターンの分析を進めてこのガラクトース減少現象が同疾患と極めて高い相関を示すことを明らかにした。これは我々の研究室で開発した糖鎖微量分析法を駆使してえられた知見であるが、IgG糖鎖構造異常とリウマチ病態との関連性をより詳細に解明するためには、現在の方法では解析時間が長くかかり、より簡便な方法が必要とされていた。そこで本研究の初年度である今年度は、IgG糖鎖のガラクトース量を高感度で検出する方法の開発に着手した。IgG糖鎖変化でガラクトースが消失し新たに出現するN-アセチルグルコサミンに着目し、これと特異的に反応するムジナタケレクチンを利用した方法の開発に成功した。この方法で必要とする検体血清量は1μl以下と微量であり、従来の血清診断法であるリウマチ因子の検出法より高感度でかつ疾患特異性が高くリウマチ診断法として非常に有効であることが判明した。さらにこの方法は、微量の細胞培養上清中のIgGのガラクトース量を知ることが可能であり、外的刺激によるB細胞でのIgG糖鎖の特異的ガラクトシル化の調節機構を解明するうえで、強力な検出手段となることが期待される。一方、IgG糖鎖変化を伴うリウマチ疾患モデルの開発にも成功した。今後異常糖鎖高感度検出法に加えてリウマチ疾患モデルも使用し、リウマチ病態とIgG糖鎖変化の関連性についてより詳細な解析研究を実施してゆく。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Tamao Endo: "Alterations in the carbohydrate structures of an abnormal protein from sera of patients with rheumatoid arthriotis" Arch.Biochem.Biophys.307. 119-125 (1993)
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[Publications] Naoyuki Tsuchiya: "Distribution of glycosylation abnormality among serum IgG subclasses from patients with rheumatoid arthritis" Clin.Immunol,Immunopathol. (印刷中).
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[Publications] Naoyuki Tsuchiya: "Detection of glycosylation abnormality in rheumatoid IgG using N-acetylglucosamine-specific Psathyrella relutina" J.Immunol.151. 1137-1146 (1993)
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[Publications] Tamao Endo: "Structural changes in the N-linked sugar chains of serum immunoglobulin G of HTLV-1 transgenic mice" Biochem.Biophys.Res.Commun. 192. 1004-1010 (1993)
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[Publications] Shiho Kodama: "Role of sugar chains in the in vitro activity of recombinant human interleulcin 5" Eur.J.Biochem.211. 903-908 (1993)
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[Publications] Akira Kobata: "Glycobiology" Oxford University Press, 401 (1993)
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[Publications] Tamao Endo: "Glycoproteins" Elsevier Pub(印刷中),