1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454166
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
遠藤 玉夫 (財)東京都老人総合研究所, 糖鎖生物学部門, 研究室長 (30168827)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古川 清 (財)東京都老人総合研究所, 生体情報部門, 研究室長 (10190133)
木幡 陽 (財)東京都老人総合研究所, 所長 (30030852)
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Keywords | 免疫グロブリンG / リウマチ / 免疫グロブリンA / 糖鎖異常 / 抗体機能 |
Research Abstract |
我々はリウマチ患者の血清IgGの糖鎖ではガラクトースの含量が異常に低下し、それはガラクトシル化機構の異常に起因することを発見し、昨年度から本研究を実施している。昨年度開発に成功したレクチンを用いた高感度糖鎖異常IgG検出法を利用し、多数の血清について検索を進めその有効性を確認した。リウマチではIgGの抗原結合部位におけるグルコシル化がIgGの凝集を引き起こす可能性が指摘されている。そこで、まずアミノ酸部位指定変異法を用いて抗デキストラン抗体の3つある相補性決定領域のうち2番目の領域(CDR2)に遺伝子工学的に糖鎖を導入し、付加した糖鎖の構造及び抗原との親和性に対する影響を調べた。その結果、CDR2への糖鎖導入は、その導入位置によって形成される糖鎖構造及び抗原親和性に及ぼす影響は著しく異なることが判明した。このようなグルコシル化反応及び糖鎖変化とリウマチで広く観察されるIgGの自己凝集反応との関連性について現在検討している。一方、広く免疫グロブリンのガラクトシル化調節機構を解明するために、他の免疫グロブリンであるIgAについての研究も実施した。13例のミエローマIgAについてAsn型糖鎖を解析すると、IgGの場合と同様に非常に多様性に富んでいることが判明した。この研究過程で、大腸菌との凝集反応を調べてみると、その反応性に違いがみられ、その反応性の違いは、高マンノース型糖鎖の含有量の差によって生じており、感染防御にIgA糖鎖が役立っている新たな事実が明らかとなった。これらの知見を基に、今後IgG糖鎖で見られたガラクトース欠損という構造異常がリウマチ患者IgAで観察されるか否か引き続き検討を加える予定である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Naoyuki Tsuchiya: "Distribution of glycosylation abnormality among serum IgG subclasses from patients with rheumatoid arthritis" Clin.Immunol.Immunopathol.70. 47-50 (1994)
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[Publications] Tamao Endo: "Carbohydrate heterogenety of human myeloma proteins of the IgAl and IgA2 subelasses." Molec.Immunol.31. 1415-1422 (1994)
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[Publications] Yasuko Nakano: "Structural study on the glycosyl-phosphatidylinositol archor and the asparagine-linked sugar chain of a soluble-form of CD59" Arch.Biochem.Biophys.311. 117-126 (1994)
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[Publications] Shigeharu Fujuta: "Structunol stadies of the N-linked sugar chains of human rhodopsin" Glycobiology. 4. 633-640 (1994)
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[Publications] Akira Kobata: "Aflinity chromotgraphy of oligosaccharides on Psathyralla relutina lectin calumn" Methods in Enzymol. 247. 228-237 (1994)
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[Publications] Takeshi Sato: "Site・specific Glycosylation of bovine butyrophilin" J.Biochem. 117. 147-157 (1995)
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[Publications] Tamao Endo: "Neoglycoconjugates:Preparation and applications" Academic Press, 10 (1994)
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[Publications] Kiyoshi Furukawa: "Glycoproteins" Elserier Science Publishers(印刷中),