1993 Fiscal Year Annual Research Report
カルモデュリン依存性プロテインキナーゼIIによる遺伝子発現調節機構の解析
Project/Area Number |
05454172
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山内 卓 徳島大学, 薬学部, 教授 (90041813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 弘子 東京都神経科学総合研究所, 分子生物, 研究員 (40162870)
吉村 好之 徳島大学, 薬学部, 助手 (20035554)
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Keywords | カムキナーゼII / カルモデュリン / リン酸化 / α,βアイソフォーム / ATP / 神経芽細胞 |
Research Abstract |
申請者は、最近、キナーゼIIのcDNAや遺伝子のクローニングを行い、キナーゼIIの関与する神経情報伝達の調節、神経細胞の分化、シナプス形成と可塑性、遺伝子発現の調節について研究を進めており、(i)cDNAの発現によるキナーゼIIαおよびβアイソフォームの酵素学的性質、(ii)電子顕微鏡によるキナーゼIIの立体構造、(iii)神経芽細胞における形態形成における役割、(iv)キナーゼIIの発達過程における発現、(v)ショウジョウバエをモデル動物とし、キナーゼII遺伝子とcDNAの構造および発現、などを明かにした。キナーゼIIの作用をさらに深く解析することにより、神経情報伝達の分子機構を解明しようとしている。 本年度は、キナーゼIIのα分子とβ分子の機能的・構造的差異、脳内分布と発達過程の違いを勢力的に解明し、キナーゼIIは時間的・空間的にも酵素タンパク質量の調節がなされていることを明かにした。すなわち、キナーゼIIのαとβ分子に特異的な抗体を用いて免疫組織化学的に、それぞれの分子の中枢神経における分布を明かにした。また、2次元電気泳動法により、キナーゼIIの基質タンパク質の発現を解析することにより、多くの基質タンパク質が生後の発達過程で調節されることを明かにした。このように、キナーゼIIの作用点を解析することによりこれらの遺伝子産物のcDNAを単離する足掛りが得られた。
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[Publications] Ohsako,S et al.: "Molecular characterization and expression of the Drosophila Ca^<2+>…" J.Biol.Chem.268. 2052-2062 (1993)
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[Publications] Goshima,Y.et al.: "Overexpression of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein KinaseII…" J.Neurosci.13. 559-567 (1993)
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[Publications] Ochiishi,T.et al.: "Characterization and autophosphorylation of Ca^<2+>/calmodulin…" Brain Res.610. 97-107 (1993)
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[Publications] Sugiura,H.et al.: "Effect of ATP on binding of Ca^<2+>/calmodulin-dependent…" Biochim.Biophys.Acta. 1177. 270-274 (1993)
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[Publications] Furukawa,Y.et al.: "Demonstration of the phosphorylation-dependent interaction…" Biochem.Biophys.Res.Commun.194. 144-149 (1993)