1993 Fiscal Year Annual Research Report
レトロトランスポゾンの遺伝子への挿入による補体産生異常の分子機構
Project/Area Number |
05454205
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
高橋 守信 金沢大学, がん研究所, 教授 (80019877)
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Keywords | レトロポゾン / B2反復配列 / マウス補体C4 / RNAスプライシング / マクロファージ / 肝細胞 |
Research Abstract |
1 マウスC4の組織特異的発現:われわれの研究によって、C4低産生系統のマウスのC4遺伝子の第13イントロンにはレトロポゾンの一種、B2配列、が挿入されており、そのためにRNAスプライシングの異常とC4mRNA低下が起こることが明らかとなった。マウスC4の産生は組織特異的にも制御されていることが知られているので、種々のC4産生臓器におけるC4mRNAの性状を解析した。mRNAをPCRで増幅し、異常挿入配列を含むプローブを用いてのRNAseプロテクション法を行って、C4mRNAにB2反復配列が含まれているか、C4mRNAの低下が認められるかどうか、を調べた。腹腔マクロハージではたとえC4低産生系マウスであっても異常C4mRNAは認められず、C4mRNAのレベルも低下していなかった。C4高産生系マウスでは、肝臓でも腹腔マクロファージでも異常挿入配列をもったC4mRNAは検出されず、C4mRNAの低下も認められなかった。 2 レトロポゾン挿入C4遺伝子のRNAスプライス部位選択の機構:B2反復配列を含むC4遺伝子、含まない遺伝子をプラスミドに挿入して種々の培養細胞株に導入し、発現されたC4mRNAをPCR、RNaseプロテクション法によって解析した。ヒトHeLa細胞、ヒトHepG2細胞、マウスL細胞ではいずれもB2反復配列中のスプライス部位を利用していた。意外なことに、マウスのマクロファージ由来のAN-1、J774でも同様で、明らかに初代培養の腹腔マクロファージとは異なっていた。B2反復配列中のスプライス部位を利用しない細胞株をさらに検索するとともに、初代培養腹腔マクロファージを用いる実験系を検討している。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 高橋守信: "Tissue-specific RNA processing for complement C4 gene transcript in H-2^k mouse strains" Immunogenetics. 37. 390-393 (1993)
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[Publications] 高橋守信: "Molecular cloning of a lamprey homologue of the mommalian MHC class III gene complement factor B" Journal of Immunology. 152(in press). (1994)