ストレス負荷に対する生理・内分泌反応の個人差に関する予防医学的研究

1993 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 05454234
• Research Institution: National Institute for Environmental Studies
• Principal Investigator: 兜 真徳 国立環境研究所, 都市環境影響評価プロジェクト, 総合研究官 (00113481)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 今井 秀樹 国立環境研究所, 都市環境影響評価プロジェクト, 研究員 (00232596) ; 影山 隆之 国立環境研究所, 都市環境影響評価プロジェクト, 主任研究員 (90204346)
• Keywords: ストレス / 生理 / 内分泌 / 予防医学

Research Abstract

初年度の研究として、安静時(仰臥位)における心拍(R-R)間隔の変動係数(CVRR)とその自己相関スペクトルの2大成分であるMayer Wave性洞性不整脈成分(C-CV_<MWSA>)と呼吸性洞性不整脈成分(C-CV_<RSA>)及びそれらの比(C-CV_<MWSA>/C-CV_<RSA> ratio)、また立位負荷によるそれらの変化、夜間睡眠時の尿中カテコールアミソ排泄速度、音刺激に対する指尖容積脈波反応などを指標として、自律神経系機能の個人内・個人間変動とその変動要因として示唆されている年齢、肥満、喫煙等との関連についての正常者を対称とした検討(パート1)と、自律神経機能亢進症状を特徴とするgeneralized anxiety disordersの患者についての検討(パート2)を行った。なお、パート1では、さらにストレス関連性格や日常的な主観的ストレスとの関連について引き続き検討中である。主要な結果として、パート1では、75名の中高年男子で、心臓系副交感神経活動に対応すると考えられるC-CV_<RSA>及びその立位負荷による変化量が加歳と肥満によって有意に低下する傾向が明らかであったが、立位負荷による変化量の方が上記活動をより鋭敏に示すことが示唆された。また、C-CV_<MWSA>によって示される交感神経活動と夜間の尿中カテコールアミン(ノルエピネフリンとエピネフリン)とは、個人間の相関で有意であった。パート2では、音刺激に対する指尖容積脈波の反応及び各心拍間隔変動成分については、年齢による変動を調整した場合にも、患者一対照間の有意な差異は認められなかったが、心拍数の早いものでは脈波反応が低下する傾向が患者群のみで認められ、心拍間隔変動成分指標では示されない交感神経系活動の亢進状態が示唆された。

Research Products

• [Publications] 兜真徳、錦戸典子、影山隆之、今井秀樹、本田靖、金子哲也: "心拍変動成分を用いた自律神経機能検査法(第2報)加令、肥満、喫煙との関連" 産業医学. 36. S316- (1994)
• [Publications] 錦戸典子、兜真徳、影山隆之、今井秀樹、本田靖、金子哲也: "心拍変動成分を用いた自立神経機能検査法(第3報)減量指導効果判定への適用の試み" 産業医学. 36. S317- (1994)
• [Publications] 影山隆之、今井秀樹、新田裕史、兜真徳: "心臓自律神経系活動性の変動要因について:呼吸速度・食事・運動との関連" 日本衛生学雑誌. 49. 250- (1994)
• [Publications] 今井秀樹、厳庫敏、影山隆之、新田裕史、兜真徳: "心臓自律神経系活動性の変動要因について:尿中カテコッレアミン排泄速度との関連" 日本衛生学雑誌. 49. 251- (1994)