1994 Fiscal Year Annual Research Report
アデノウイルス・ベクターを用いた筋ジストロフィーの遺伝子治療に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05454264
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Research Institution | Natinal Center of Neurology and Psychiatry |
Principal Investigator |
荒畑 喜一 国立精神・神経センター, 神経研究所・疾病研究第一部, 部長 (30053325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚原 俊文 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第一部, 研究員 (60207339)
武田 伸一 国立精神, 神経センター・神経研究所・疾病研究第一部, 室長 (90171644)
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Keywords | 進行性筋ジストロフィー / アデノウイルス・ベクター / 遺伝子治療 / 筋細胞 / in vitro遺伝子導入 / in vivo遺伝子導入 / 再生筋 |
Research Abstract |
進行性筋ジストロフィーに対する遺伝子治療の基礎的研究の一環として、アデノウイルス・ベクターを用いた筋細胞に対する遺伝子の導入を確立することができた。 1.培養骨格筋細胞に対する組換えアデノウイルスのin vitro導入実験 増殖性に富むC2細胞株及びより高い分化能を持つC2/4細胞株に対して、普遍的で高度の発現が期待できるAdex CA-lacZ(東京大学医科学研究所斉藤研究室より供与)及び組織特異的な発現を企画して斉藤研究室との共同で作製したAdex MHC IIB-lacZを用いて感染実験を行い次のような結果を得た。 1)組換えアデノウイルスは、増殖中の筋芽細胞のみならず筋管細胞に分化した後の細胞に対しても、高率に導入される。 2)細胞に高率に導入された遺伝子は、組み合わされているプロモーターにより、その発現が制御されうる。 2.再生筋に対する組換えアデノウイルスのin vivo導入実験 成熟ラットヒラメ筋に対するBupivacaineによる筋再生系を用いて、Adex CA-lacZの筋注を行ない、筋再生を惹起することにより、効率的な組換えアデノウイルスの導入が可能であることを明らかにした。この事実は、組換えアデノウイルスが細胞に取り込まれるために必要なインテグリンαvリセプターの発現が分化・成熟途上の筋細胞に限られていることと呼応している。
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[Publications] Sekijima,Y.et al.: "A case of cytoplasmic myopathy with hypertrophic---" Jpn J Int Med. (in press). (1995)
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[Publications] Yoshida,K.et al.: "A mutant in the ceruloplasmin gene is associated with---" Nature Genet. (in press). (1995)
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[Publications] Takeda,S.et al.: "Myogenic regulatory factors can activate TATA-containing promoter---" J.Biol.Chem.(in press). (1995)
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[Publications] 宮越友子、他: "筋の発生・分化の分子機構" 小児科臨床. 47. 2439-2435 (1994)
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[Publications] 石井亜紀子,他: "デュシャンヌ型筋ジストロフィー/Duchenne muscular dystrophy" 実験医学. 12. 121-125 (1994)
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[Publications] 武田伸一: "DMD遺伝子/ジストロフィンの異常と拡張型心筋症" 内科. 75. 441-446 (1995)
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[Publications] 石井亜紀子(分担執筆): "クリニカル・ファーマシーのための内科学" 医薬ジャーナル社, 563 (1994)
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[Publications] 武田伸一(分担執筆): "臨床遺伝医学 VI" 診断と治療社(印刷中), (1995)