1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05454295
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
今村 貞夫 京都大学, 医学部, 教授 (30026869)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 憲一 京都大学, 医学部, 講師 (80159045)
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Keywords | 血管内皮細胞 / 接着分子 / カドヘリン / クローニング |
Research Abstract |
平成5年度の研究において、我々が樹立したマウス皮膚血管内皮細胞株F-2をラットに免疫することにより獲得した抗体:ENCD-1が、マウス血管内皮細胞特異的に発現する新たな細胞間接着分子:カドヘリンを認識することを、1)抗体がin vitroにおいてマウス内皮細胞間接着の阻止機能を示すこと.2)その機能発現にはCa^<2+>の存在が必要であること、3)抗体投与により物質の内皮細胞間透過性が明らかに亢進すること、4)基底膜ゲル(マカイゲル)上でみられる内皮細胞の組織的分化、即ち、管腔形成能が著明に抑制されること.5)抗体はマウスのすべての組織の内皮細胞間にのみ存在する分子を特異的に認識すること.6)抗体の認識する抗原の分子量は125KDと従来のカドヘリン分子familyの分子量に類似していること.などの詳細な細胞生物学的検討により、まず証明した。さらには、この抗体は、生体内においても血管内皮細胞のカドヘリン活性を機能的に阻止する強力な能力を保持することも判明した.一方、我々は、F-2は無血清培地に適応後、その亜株F-2Cの樹立にも成功し、この細胞株は自発的に管腔形成を誘導し、その際F-2に比し高いカドヘリン活性を発現することを我々はすでに報告しているがこの抗体はそのF-2Cの組織的分化(管腔形成)をも完全に阻止することが判明した。これらの事実より、この抗体は血管内皮細胞に発現するカドヘリン分子の研究に極めて有用であることが示された。そこで、次にこのマウス血管内皮細胞カドヘリンのおアミノ酸配列を決定するために、F-2株のRNAを用いてcDNAのライブラリーの作成を試み、それにも成功した。
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[Publications] 戸田 憲一 他: "血管新生と皮膚疾患" 皮膚病診療. 16. 564-568 (1994)
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[Publications] 松吉 徳久 他: "血管内皮細胞のカドヘリン" 血管と内皮. 4. 344-348 (1994)
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[Publications] Yamada Y.他: "Enhanced therapeutic effects on murine melanoma and angiosarcoma cells by boron neutron capture therapy using boronatoed metalloporphyrin" Kobe J Med Sci. 40. 25-37 (1994)
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[Publications] Maruquchi T.他: "A new skin equivalent : keratinocytes proliferated and differentiated on collagen sponge containing fibroblasts" Plast Reconst Surg. 93. 537-544 (1994)
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[Publications] Fukumi Furukawa 他: "Cadherins in cutaneous biology" Journal of Dermatology. 21. 802-813 (1994)
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[Publications] 戸田 憲一: "血管内皮細胞と皮膚アレレギ-" 興和医報. 158(印刷中). (1995)