1993 Fiscal Year Annual Research Report
腹腔内冷却低体温法を利用した移植のための複数臓器同時摘出及び移植の研究
Project/Area Number |
05454357
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
平 明 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30041289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金城 玉洋 鹿児島大学, 医学部, 医員
西元寺 秀明 鹿児島大学, 医学部, 助手 (40170485)
下川 新二 鹿児島大学, 医学部, 講師 (40170998)
田中 紘輝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (00163519)
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Keywords | 脳死 / ブタ / 多臓器摘出 / 腹腔内冷却低体温 / 同所性移植 |
Research Abstract |
実験の目的は横隔膜を境として胸腔および腹腔に位置する複数の臓器を、同時に、阻血時間を最短として摘出し良好な移植グラフトを得ることにある。複数臓器に許される共通項としての阻血時間は心臓を基準として短い方に収斂するべきである。それを可及的に長時間しかも安全に設定して臓器の摘出をする手段として腹腔内冷却法による全身低体温を用いた。また臨床を想定して脳死をきたしたブタの管理をおこなったが、脳死の作成からその確認、臓器摘出までの一連の操作は簡単なものではなく脳死管理には特に留意すべきことが判明した。脳死は20-25kg(平均23.5kg)のブタで脳への血行を遮断して作成した。脳死完成には約2時間を要した。脳死に伴う血行動態の変化は顕著で、血圧は一旦上昇し次いで急激に下降して脳死が完成される。実験に供し得る脳死の完成率は95%であった。自律神経調節を失った脳死中の管理にはvasopressinを0.1u/kg/h投与した。更にT_3 0.2mug/hを用いた。脳死管理は6時間行い全身低体温30℃下に臓器摘出を行った。摘出の順位は肝・腸を含めた腹腔内臓器に次いで胸腔内の心肺を摘出した。現在のところprostaglandinを脳死に併用しての肺に関する移植実験には至っいない。心はCollins'M液を心停止液として使用しその後3時間同液中に浸漬し体外循環下に同所性に移植した。 脳死の管理はvasopressin、T_3投与で安定した。同所性移植後体外循環を離脱し移植心が機能を発揮し得たのは80%(4/5頭)で体外循環離脱後の左室拡張終期圧は10±5mmHgと低く良好に保たれていた。別に肝のviabilityもよく、同所性移植にたえている。今後腹腔内冷却低体温を基盤とした代謝抑制法で多臓器共通項としての管理法を見出して研究を重ねる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] R.Toda,et al.: "Organ procurement using sbdominal cavity cooling after management of the brain dead donor." Transplant Proc. 25. 3162-3164 (1993)
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[Publications] Y.Moriyama,et al.: "Multiple organ procurement for transplantation:The ettect of peritoneal cooling." Transplant Proc. 23. 2324-2325 (1991)
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[Publications] 平 明.: "多臓器移植と心保存:harvestingをめぐる課題." 医学のあゆみ. 162. 850 (1992)
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[Publications] 上村亮三.: "腹腔内冷却低体温法の実験的研究-臓器温と循環動態について." Med J Kagoshima Univ. 44. 57-63 (1992)