1993 Fiscal Year Annual Research Report
網膜色素変性症における光受容細胞特異的レチノール脱水素酵素遺伝子の解析
Project/Area Number |
05454467
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石黒 誠一 東北大学, 医学部, 講師 (20111271)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉井 信 東北大学, 医学部, 教授 (90004720)
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Keywords | レチノール脱水素酵素 / cDNA / 一次構造 / 遺伝子 / 光受容細胞 / 網膜色素変性症 |
Research Abstract |
ビタミンA(全トランスレチノール)は、視覚過程において必要不可欠な成分であり、脊椎動物の眼ではおもに網膜と色素上皮細胞にみられる。全トランス特異的レチノール脱水素酵素は、杆体外節膜に存在し、全トランスレチノールと全トランスレチナールの間の相互転換を触媒している。我々は、失明にいたる遺伝性眼疾患である網膜色素変性症の病態を解明するために、このビタミンA代謝の鍵酵素である杆体細胞に特異的なレチノール脱水素酵素のcDNAを単離し、その構造解析を行うことを最初の目標とした(平成5年度)。 当初の計画通り、(1)精製したレチノール脱水素酵素のN末端から一部の一次構造を決定、(2)牛網膜cDNAライブラリーからラット抗ウシレチノール脱水素酵素を用いてレチノール脱水素酵素のcDNAを単離、(3)単離したレチノール脱水素酵素cDNAの塩基配列の決定を終了し、1017個の塩基配列を持つことが判明した。光受容細胞特異的レチノール脱水素酵素は、346個のアミノ酸からなる、非常に疎水性の強いタンパク質であると考えられた。タンパク質の一次構造の解析からN末端は、メチオニンではなく、転写後にプロセッシングが起こることがわかった。COS7細胞にこのcDNAを導入した場合、抗体に反応するタンパク質は発現するが、活性は測定ができなかった。このことは、膜の中にこの酵素が組み込まれるのに必要なアミノ酸配列が必要で、我々が分離したcDNAよりさらに上流のメチオニンから合成が始まる可能性が出てきた。 平成6年度は、これらの結果を踏まえ、レチノール脱水素酵素cDNAのさらに上流の方の解析を行ってみる。また、単離したレチノール脱水素酵素のcDNAを用いて、ヒト遺伝子ライブラリーからレチノール脱水素酵素の遺伝子を単離し、構造を決め、網膜色素変性症患者の遺伝子の突然変異を検討する。
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