1994 Fiscal Year Annual Research Report
P.gingivalis線毛の成人型歯周疾患ワクチンへの応用に関する基礎的研究
Project/Area Number |
05454490
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Research Institution | Meikai University |
Principal Investigator |
北野 繁雄 明海大学, 歯学部, 教授 (30049374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 寛高 明海大学, 歯学部, 助手 (70234193)
天野 滋 明海大学, 歯学部, 講師 (90167958)
花澤 重正 明海大学, 歯学部, 助教授 (60060258)
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Keywords | P.gingivalis / 線毛 / 骨吸収作用 / 炎症 / ワクチン |
Research Abstract |
P.gingivalisが成人型歯周疾患の病原性細菌であることは多くの知見により現在広く支持されている。現在まで、本菌の病原性機構の解析はその産生する酵素やリポ多糖体の生物学的活性を中心に進められてきた。しかし、病原性細菌の発症と成立機構を考察するとき、その組織への付着ならびに集落形成に拘わる本菌線毛の機能的役割を無視することはできない。この点を支持する興味ある研究が報告されている。すなわち、本線毛に対する有意に高い抗体価が成人型歯周疾患患者血清中に認められること、さらに、本疾患患者歯肉組織には本線毛に対する特異的局所免疫が成立していること、さらに、私どもは以前より本線毛が歯肉線維芽細胞やマクロファージによる炎症性サイトカインの産生を誘導することを明らかにしている。極く最近、興味あることに本線毛免疫ラットを用いた研究より、P.gingivalisで誘導される歯周組織の破壊が有意に防御できるということが示された。これらの知見は本菌線毛が成人型歯周疾患の病態である歯肉の炎症ならびに歯槽骨の吸収に深く関与していることを強く示唆する。ゆえに、本線毛はP.gingivalis感染の初期過程からその病態の発症、成立に強く関与しているものと考えられる。したがって、本線毛が本疾患のワクチンとして応用できるか否かについて検討するにあたり、本線毛の歯周組織破壊機構、特に本線毛による炎症並びに骨吸収機構とその治療方法について詳細に研究をすることは意義がある。従い、本研究はこの点を解明するとともに、本線毛の成人型歯周疾患へのワクチン応用に向けて可能性について検討した。
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[Publications] Kawata,Y.: "Porphyromonas gingivalis fimbriae Stimulate bone resorption in vitro." Infect.Immun.62. 3012-3016 (1994)
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[Publications] Hanazawa,S.: "Retionic acid supression of c-fos gene inhibite expression of tumer necrosis factor-α induced monocyte chemoattractant in JE/MCP-1 in clonal osteobalst MC3T3 cells." J.Biol.Chem.269. 21379-21384. (1994)
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[Publications] Murakami,Y.: "Porphyromonas gingivalis fimbriae induce a 68-kilodalton phosphorylated protein in macrophages." Infect.Immun.62. 5242-5246. (1994)