1993 Fiscal Year Annual Research Report
物理化学的処理法と組換え微生物とを組合わせたポリ塩化ビフェニル実用的処理法の開発
Project/Area Number |
05454612
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
矢野 圭司 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10011842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金原 和秀 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (30225122)
福田 雅夫 長岡技術科学大学, 工学部, 助教授 (20134512)
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Keywords | PCB / 分解系遺伝子 / クローニング / 物理化学的処理法 |
Research Abstract |
ポリ塩化ビフェニル(PCB)に代表される塩素化芳香族化合物は環境汚染物質として知られている。それらの物質は、物理的な安定性に加えて、微生物などによる分解に対しても頑強である。本研究では、多塩素置換PCBが微生物により分解され難いという欠点を克服するため、物理化学的方法に着目し、生物処理との組合せによる実用的処理法の開発を目的としている。 塩素置換数の多いPCB分解菌の取得を目的としたスクリーニングを行った結果、今までに無い分解スペクトルならびに分解経路を持つグラム陰性PCB分解菌の取得に成功した。本菌株は、ベンゼンやトルエンを分解する能力も保有し、5塩素置換のPCBまでも完全に分解することができた。分解に関与する遺伝子群の単離にも成功し、その遺伝子配列もほぼ解明されている。単離した遺伝子をもとにして遺伝子破壊を行った結果、単離された遺伝子が、PCBの分解に関与することを確認した。現在、その遺伝子配列を他の分解遺伝子群と比較することにより遺伝子構造の解析を行っており、PCB分解に特異的な配列の検索を行っている。また、物理化学的処理によるPCB分解については、柴外線照射により脱塩素が行われることが確認され、照射後のPCB溶液を微生物で処理させることにより、分解を促進させることができた。最適化条件の検討については、溶媒ならびに照射条件を検討中であり、今後詳細に条件設定を行う必要がある。 このように分解菌の取得ならびに分解に関与する遺伝子群の単離、塩基配列の決定については順調に進められている。今後、PCB分解に最適な物理化学的処理法を検索し、生物分解との組合せを試みる。
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