1993 Fiscal Year Annual Research Report
軟X線共鳴ラマン散乱スペクトル測定用湾曲結晶分光器の試作
Project/Area Number |
05554006
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
中井 俊一 宇都宮大学, 工学部, 教授 (70081429)
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Keywords | 軟X線分光器 / 軟X線ラマン散乱 / 軟X線計測 |
Research Abstract |
1.軟X線共鳴ラマン散乱スペクトル測定用湾曲結晶分光器の試作 (1)最初にローランド円半径250mmと150mmとについて、分解能、強度について評価作業を行った。その結果、強度の点でR=150mmの方が有利であるとの結論に達した。(2)次に分光器の可変角度範囲として分光結晶への入射角度θ=27゚〜50゚の範囲にすることに決定した。これは使用する分光結晶としてRAP(2d=26.12A),Mica(2d=19.8A),ADP(2d=10.64A)を使用してエネルギースキャン範囲が620eV〜2.5KeVをカバーするものである。(3)分光器の分散方向は放射光の特性を考えて縦分散方式とした。(4)軟X線の光路は真空とする必要があり、ベローズを用いることとし、到達真空度を10^<-9>Torrの超高真空仕様とした。(5)分光器のスキャンはパルスモーター駆動とし、コンピュータにてコントロールするシステムとした。(6)試料部はx,y及びθ回転機構を有するマニュピレータに取付け、位置の微調整が可能な方式とした。(7)検出器部は位置敏感型検出器であるマイクロチャンネルプレート(MCP)の取付けが可能な容器とした。以上のような仕様決定のもとに設計を行い、分光器を試作した。 2.製作した分光器の性能評価 (1)到達真空度のチェックを行い、ターボ分子ポンプを用いて排気し、ベーキング24時間後、2×10^<-9>Torrの到達真空度を達成した。(2)パルスモーターコントローラを用いて分光器スキャンのテストを行い、θ=27゚〜50゚のスキャンを確認した。(3)分光器の分解能のチェックのため電子銃よりの電子線を試料にあて、発生する軟X線を比例計数管を用いて測定した。その結果、CuのL_<α,β>線のスペクトルを使っての見積りで分解能約1eVを達成することが出来た。
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[Publications] S.Nakai他: "Polarized Cu L Absorption of Bi_2Sr_2Ca_<1-x>Y_xCu_2O_8(x=0.0,0.6)" Jpn.J.Appl.Phys. 32-2. 602-604 (1993)
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[Publications] S.Nakai他: "Linear Dichroism in Ce 3d X-Ray Absorption of CeRh_3B_2" Physica13. 186. 74-76 (1993)