1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555006
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮野 健次郎 東京大学, 工学部, 教授 (90167677)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 明宏 東京大学, 工学部, 助手 (10211400)
五神 真 東京大学, 工学部, 助教授 (70161809)
小間 篤 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (00010950)
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Keywords | 局所場 / 有機色素 / 平均場近似 / 光記録 / 単分子膜 / 水面上蒸着 |
Research Abstract |
色素の呈する見かけ上の色は、色素分子がその環境と様々な相互作用をした結果である。本研究の目的は、色素分子が直接感じる局所場が色素分子の見かけの色に与える影響を解明し、逆にこのことを使った光記録という発想の可能性を探ろうとするものである。 このために、初年度は、局所場を決めている因子は何か、局所場がそもそも制御可能なのかどうか、という問題の手がかりを得るために以下のような研究を行った。(1)まず、局所場を平均場で近似することの妥当性について検討した。すなわち、色々な分子配置、試料の幾何学的形状における平均場近似での局所場を計算し、色素単分子膜をつかって、線形および2次高調波発生の光学測定との比較を行い、両者の定量的な一致を見た。(2)従来法とは異なるやり方で単分子膜を作製する方法として、水面上へ直接有機分子を蒸着、凝集させることを試みた。このために真空チャンバー中に水槽を配置した新規な単分子膜作製装置を試作した。これを用いて、キナクリドンなど溶媒に不溶な色素分子についても、単分子膜を作製し、かつ定量的に累積することができた。(3)有機物を様々な環境で蒸着するための多用途真空チャンバーを設計・試作した。(4)局所場がその物性に決定的に重要な働きをしていると考えられる強誘電体高分子について、その局所場を評価するため、色素を導入した系でシュタルク分光を行った。この解析については現在検討中である。
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[Publications] K.Asano,K.Miyano,H.Ui,M.Shimomura,Y.Ohta: "Adsorption of a Soluble Dye Polymer onto Spread Monolayers" Langmuir. 9. 3587-3593 (1993)
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[Publications] K.Hasegawa,K.Hosoi,A.Tomioka,K.Miyano: "Langmuir-Blodgett Technique without Solvent" Appl.Phys.Lett.64. 664-666 (1994)
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[Publications] S.Aiba,A.Ohmori,M.Shimomura,K.Miyano: "Non-linear Optical Properties of Stilbazolium LB Films Prepared by Polyion Comprex Technique" Chemistry of Functional Dyes(ed.by Z.Yoshida and Y.Shirota,Mita Press). 500-504 (1993)
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[Publications] H.Ezaki,T.Tokihiro,M.Kuwata-Gonokami,et al.: "Excitonic n-String in Linear Chains" Solid State Commun.88. 211-216 (1993)