1994 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555025
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊地 順 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (50063665)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 信行 愛媛大学, 教養部, 助教授 (10127904)
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 講師 (40202006)
林 孝義 理工学総合研究センター, 講師 (70156446)
|
Keywords | LETの測定 / 宇宙環境 / 放射線量 |
Research Abstract |
有効面積2.0cm×2.0cm厚み300μmで両面に直交したストリップ電極を持つシリコン検出器を試作した。電極の間隔は1.25nm,であり片面に16ついている。この電極間を390Ω〜3.9kΩの抵抗で結線し、両端から信号を取り出して電荷分割型の位置検出器として使用しXYの位置を得るとともに、両信号の和より全エネルギー損失を得た。2組の検出器の同時計測法で、Sr-Yのβ線や5.5MeVのα線を用いて種々の基本的な性能試験を行った。その結果最小電離粒子に対する位置分解能の点で満足な結果が得られなかったので、電極を8本一組としてその両端から信号を取り出すことにした、つまり片面で4組、両面で8組の信号を利用しXYの位置とエネルギーを測定した。その結果最小電離粒子に対しても半値幅で5mm程度となり十分に満足のゆく結果が得られた。そこでこのような組み合わせの検出器を用いた場合の広範囲でLETに対する検出性能を検証するために、高エネルギー重イオンとその破砕粒子の測定を行った。高エネルギー重イオンとしては理化学研究所や放射線医学研究所の重イオン加速器からのビームを利用した。135MeV/nの炭素の直接照射およびアクリルターゲットにこのビームを当てて発生した破砕粒子すなわち陽子からボロンまでの粒子を利用して種々のLETに対する測定結果を得ることができた。この結果から電子(最小電離粒子)から鉄に至るまでの広範囲でこの検出器が利用できることが判明した。なお今までの結果から検出器の厚みを当初の計画どうり500μm程度まで厚くしたほうが信号雑音比および位置分解能が数倍よくなると推察できるので、今後も試作を試みることとしたい。
|