1994 Fiscal Year Annual Research Report
生活・産業廃棄物の建設材料へのリサイクルに関する研究
Project/Area Number |
05555138
|
Research Institution | NAGASAKI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
棚橋 由彦 長崎大学, 工学部, 助教授 (80039685)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉山 和一 長崎大学, 工学部, 助教授 (80253631)
後藤 恵之輔 長崎大学, 工学部, 教授 (00037954)
岡林 巧 鹿児島工業高等専門学校, 土木工学科, 助教授 (40044630)
|
Keywords | 廃棄物 / リサイクル / 軽量盛土 / 空缶 / 石炭灰 / 軟弱地盤 / 不飽和土 / 発泡スチロール(EPS) |
Research Abstract |
1.空缶の軽量盛土材としての有効利用 (1)ブリキ製340ml缶(一軸圧縮強度380kgf/本)を使用したユニット(40cm×80cm)により試験道路を制作し、2.1tのフォークリフトを走行させる実大実験を実施した。実験後の空缶の耐力を変形、強度の両面から測定した結果、缶の変形量は少なく、強度低下もみられなかった。これらの実験により、空缶の軽量盛土材への適用性は十分有していることが判明した。 (2)空缶ユニットの腐食に対する検討を行うに際し、当初促進試験を行う予定であったが、促進状態と自然状態との比較データがなく、促進試験を行うことが適当でないと判断された。また、空缶に電気めっきを施すことが、非常に困難であることが判明し、現在、ビニール被覆および無対策の空缶ユニットについて、自然状態における強度の時間的な変化を把握している。 2.石炭灰および廃棄発泡スチロール(EPS)の建設素材としての有効利用 (1)石炭灰、発泡スチロール(EPS)、セメント、水を混合した改良材について、今回はEPSに廃棄EPS(破砕片)を用いた廃棄EPSアッシュを作成し、前年度(EPSビーズアッシュ)との物性を比較した。その結果、EPSビーズアッシュの方が貫入抵抗比で約40%、一軸圧縮強さで約10%大きいことがわかった。しかし、均一性、経済性を考慮すれば、軽量表層置換材として十分適用できると判断される。また、浅層置換材としての廃棄EPSアッシュの最適配合条件は、EPS/F≦0.5(%)、C/F≧17(%)であることがわかった。 (2)最適配合に調整した廃棄EPSアッシュによる表層改良地盤のフーチング模型実験を行った。その結果、置換幅、置換深度の増加により、無処理地盤の1.5〜2.5倍の支持力を発揮することがわかった。 石炭灰とEPSを用いた軽量表層改良地盤材に対し、不飽和浸透試験と土質学試験を行った結果、不飽和浸透特性と土質力学的性質がほぼ明らかになった。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 中村充利,棚橋由彦,後藤恵之輔,持下輝雄,宮川英也: "石炭灰とEPSを用いた軽量表層改良地盤のフーチング模型実験" 第29回土質工学研究発表会 平成6年度発表講演集,盛岡. 3分冊の3. 2145-2146 (1994)
-
[Publications] 中村充利,棚橋由彦,後藤恵之輔,伊藤寛之: "EPSアッシュを用いた軟弱地盤表層置換による支持力評価" 平成6年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,沖縄. III-37. 412-413 (1995)
-
[Publications] 伊藤寛之,棚橋由彦,後藤恵之輔,中村充利: "石炭灰とEPS破砕片を用いた建設素材の開発とその適用性に関する研究" 平成6年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,沖縄. III-40. 416-417 (1995)
-
[Publications] 有村・和田・大竹・岡林巧・斉藤・中重・棚橋由彦: "造粒した石炭灰・火山灰の物理的性質" 平成6年度土木学会西部支部研究発表会講演概要集,沖縄. III-26. 390-391 (1995)
-
[Publications] 棚橋由彦・後藤恵之輔・伊藤寛之・中村充利: "石炭灰と廃棄EPSを用いた軟弱地盤表層置換材の開発とその適用性の検討" 第30回土質工学研究発表会 平成7年度発表講演集,金沢. (7月発表予定). (1995)