1993 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
05555192
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Research Institution | Miyagi National College of Technology |
Principal Investigator |
鈴木 勝彦 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 助教授 (80187715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二瓶 知論 住友金属鉱山(株)中央研究所, 研究員
松浦 真 宮城工業高等専門学校, 基礎専門科目, 教授 (40042262)
池田 千里 宮城工業高等専門学校, 材料工学科, 教授 (60109832)
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Keywords | 炭化チタン / 新しい合成法 / 二次イオン質量分析 / 圧力 / 電界 / 微小硬度計 |
Research Abstract |
『加圧電圧印加合成法』によるTiC膜の合成の可能性を見いだすべく、KT材を母材としてTi蒸着膜とPE(ポリエチレン)蒸着膜の蒸着順序及び圧縮圧力を変化させ合成を試みた。今回、加圧範囲を4トン〜50トンとして、膜厚はTi、PEいづれも2000〜3000Å程度に固定して実験を行った。 その結果、母材上にPEを先に蒸着した膜の合成において電圧の印加の有無に関わらず、X線回折、SIMS測定いづれにも合成膜の出来た徴候を示す結果が得られなかった。一方、母材上にTiを先に蒸着した膜の場合、電圧印加(電流値約2.5A)して合成した方のみTiC膜が合成されていることを示す結果がSIMS測定より得られた。深さプロファイルを見るとC^+イオンの増減に呼応するようにTiC^+イオンが減増していることからPE膜中の炭素がTi膜中のチタンと反応してTiC膜が合成されたと考えられる。また、SIMSのスペクトルにはC^+、Ti^+、TiO^+イオンも見られることからPEの未反応物、Ti、TiO_2とTiCが混在した形で出来ているものと思われる。X線回折結果においてTiC膜の存在を示すデータが得られなかったのはそのためと考えられる。圧電素子を用いた新しい方法でヌープ圧子による微小硬度計をコンピュータによる画像処理で計測する形で製作してTiC膜の合成された試料における硬度を測定したところ、同圧で加圧した母材の硬度より大きくなる結果を得た。しかし、TiCから期待される値まで到っていない。今回製作した装置での荷重限度では膜厚が薄いこともあり膜を突き破ってしまっているためと出来た膜がPEの未反応物、Ti、TiO_2との混在膜であるため小さな硬度しか得られなかったものと考えられる。 今後、合成の最適条件を探索するとともに微小硬度計の改良を行う必要がある。
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