1993 Fiscal Year Annual Research Report
ダブル・クヌーセンセル-質量分析計の試作と化合物半導体材料製造の基礎研究
Project/Area Number |
05555196
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
阿座上 竹四 東北大学, 工学部, 教授 (50006029)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 聰 東北大学, 工学部, 助手 (70133048)
日野 光久 東北大学, 素材工学研究所, 助教授 (40005335)
中澤 重厚 東北大学, 工学部, 助教授 (70006055)
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Keywords | 質量分析計 / クヌーセンセル / 化合物半導体 / 蒸気圧 / 電気炉 |
Research Abstract |
多機能を有する素材として化合物を用いた材料が注目されている.この種の材料は目的組成付近での僅かな組成変化によっても性能に大きな影響を及ぼすことから,素材製造時に厳密な組成制御が求められる.一方,化合物組成では微小の組成変化で平衡蒸気圧が大幅に変化することから,素材製造時に蒸気圧を利用する組成制御の方法がある.それ故,蒸気圧と組成の関係を正確に知ることが非常に重要であるが,この種の情報は極端に不足している.砒素,ビスマス,セレン,テルル等の15,16族元素は蒸気相が非常に複雑なことから正確なガス相の情報を得るためにはクヌーセン-質量分析計法が最適である. そこで本研究ではダブル・クヌーセンセル-質量分析計を試作する.本年度は小型電気炉の設計および製作を行った.現在,電気炉の性能試験を実施中である.炉の設計,製作中に次の様な諸問題が生じた. (1)ヒーターでエレクトロンが発するために,試料蒸気との衝突によりこれをイオン化して測定精度に影響を及ぼす.そこでヒーターの表面積を小さくすると同時に,炉の熱効率を良くして熱源の温度を可能な限り低く押さえることによりエレクトロンの発生を極力少なくする方法を採用した. (2)(1)と関連して,炉の熱効率を良くする.試料蒸気の蒸着で熱遮弊板の反射率が悪くなることは避けられないので,熱遮弊板の交換を容易にするための構造を用いた. (3)2つのクヌーセンセルからの蒸気の比を測定する方法であることから,セルの位置を正確に決める必要があり,セルの回転機構を新しく製作し,作動を確認した. (4)炉を昇温させ,昇温速度,セルの温度均一性,炉内の温度分布,試料温度と温度測定用熱電対との温度差等の炉の特性を測定し,良好な結果を得ている.
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