1994 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー大出力プラズマ熱源を用いた超高温多機能試験炉の開発に関する研究
Project/Area Number |
05555199
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 明 大阪大学, 溶接工学研究所, 助教授 (70110773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽原 康裕 日本金属工業, 研究部, 主席
宮田 昇 京都大学, 工学研究科, 講師 (10026221)
平田 好則 大阪大学, 工学部, 講師 (00116089)
吉川 孝雄 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (00029498)
黒田 敏雄 大阪大学, 溶接工学研究所, 助手 (00107096)
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Keywords | プラズマ熱源 / 多機能試験炉 / プラズマ炉 / 高エネルギー / 超高温 / 大出力 / 機能性材料 / 窒化チタン膜 |
Research Abstract |
本研究では、ガストンネル型大出力プラズマジェットを用いて超高温プラズマ炉を試作し、その性能の向上を計るとともにその応用に関する研究を行い、以下の結果を得ている。 (1)前年度に引き続き、このプラズマ炉の性能試験を行った結果、熱効率については、作動ガスがアルゴンでは、約20kWの入力のとき約40hPaの圧力において80%の高熱効率であるが、窒素ガスの場合、熱効率が若干上昇し82%となることが確認されている。 (2)このときプラズマ炉内中心(ト-チからの距離が100mmの位置)では、アンゴンプラズマの場合でも3000K以上の超高温となっているが、窒素プラズマの場合には、さらに高温の炉心温度3400Kが得られている。 (3)この窒素プラズマ炉内の温度分布については、アルゴンプラズマと比較して、さらに高温領域が軸方向に伸び、ト-チからの距離が200mmの位置においても3000Kであるが、半径方向にはサーマルピンチ効果のため収縮し細いプラズマとなることが確認された。 (4)多機能超高温プラズマ炉の実際の応用の一つとして、チタンの表面窒素の実験を行った。プラズマ照射時間を25秒と固定して照射距離を変化させると、距離が小さくなるにつれ試料温度が上昇し、L=100mmで厚さ10μmの窒化チタン膜が得られた。 (5)この場合の窒化温度として、1050Kが得られたので、照射距離をさらに小さくしてプラズマを照射すると、短時間に試料温度が窒化温度に達し、同様の窒素チタン膜が得られることを確認した。 (6)このようにして作製した窒化膜の表面からの硬度は、Hv=1500であった。これは、膜の厚さが10μmと薄いためであり、窒化が不十分の場合更に小さい値となる。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小林 明: "プラズマ応用と複合機能材料" 工業加熱. 31-4. 69-77 (1994)
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[Publications] 戸部哲哉: "プラズマジェットによるセラミックス/金属接合体の熱衝撃試験" 高温学会誌. 20-3. 121-128 (1994)
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[Publications] 小林 明: "高エネルギープラズマ溶射による複合機能材料の作製に関する研究" プラズマ応用科学. 2. 74-82 (1994)
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[Publications] 大崎 堅: "渦流集束型ノズルを持つプラズマジェット発生器の動作特性" プラズマ応用科学. 2. 58-63 (1994)
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[Publications] 小林 明: "超高温プラズマ炉の特性とその応用" プラズマ応用と複合機能材料. 4. 57-60 (1994)